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コンコン
『失礼致します。小林です。』
「おせぇよ。」
『申し訳ございません。
本日は任務があり、都合上、外部からの情報が遮断された場所に長時間滞在していた為、御通達を把握するまでに時間を催してしまいました。』
「あー、よく分かんねぇが、取り敢えず入れ。」
『承知致しました。失礼致します。』
出迎えてくれたのは、ヤクザでした。はい。
ホントだよ。
だって今時、金髪オールバックで黒のワイシャツに白のスーツとネクタイ、テカテカの革靴をはいてるがたいの良い、強面の人って、どうみても表の人だって思えないでしょ。
「そこに座れ。
コーヒーとココア、どっちが良いんだ?」
『コーヒーでお願い致します。』
「ほい。
単刀直入に聞くが、なんで編入してから2日連続で休んでるんだ?
別にな、おまえは特待生だから授業は免除されてるからいいんだが、成績は免除されてないんだぞ。」
コーヒー美味s....え?どういう事。
「おい、まさか分かってなかったのかよ。
はぁ、勘弁してくれよな。
ウチの成績は、大部分がテストの点数できまるんだがな、一部、課題の提出と内容の濃さで決まる評価が含まれているんだ。
特待生で居続けるってのは、テストの満点継続と評定オール5が条件なんだろ?
神崎先生の話と今の反応からして、わかっていなかったようだな。」
『.....。』
「だろうと思ったよ。呼んで正解だったな。」
そ、そんなの書いてなかったじゃん。あの資料に。
でも教師?が言うくらいだから、本当のことなんだろうな....。
でも、課題なんて僕聞いてもないし、貰ってもないんだが。
『課題.....そんなもの私は知りません。』
「そりゃそうだ。
課題は担当の先生から直接渡されない限り、手に入らないからな。
生徒間での受け渡しは禁止されているんだ。
それに、課題は授業を元に作られているから、授業を受けずに課題をやるのは難しいぞ。」
はいー。
ナニソレ。授業免除されてる意味ね。
課題さえ手に入れば、根気でいけそうだけど、それさえ先生に貰いに行かなきゃだなんて.....。
『内容把握が完了いたしました。
ご忠告ありがとうございます。
以後、気をつけさせて頂きます。』
「あぁ。まあ無理はすんなよ。
授業受けてなかったのには、何か事情があるんだろ?
俺なら大抵ここにいるから、来てくれれば相談位ならのってやれるぞ。」
そう言って僕の担任は、僕の頭をガシガシと撫でた。
.....外見に似合わず、生徒思いの先生みたい。
でも、パーソナルスペースが狭いのは今後厄介になるな。
それに、コーヒーが美味しいのも嫌だな。
コーヒーの為だけに、ここに来なきゃいけなくなる。
鬘のことなら心配はいらないよ。
抜かり無く、ガッツリとピンで固定してるから、
そっとやちょっとでとれないと思う。
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