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エリタはたくさん物語を読んだ。感動する作品、笑える作品、心が癒される作品……。
国中の人達が書く小説が、ここには集まっている。
「お母さん、私もあの中に入れる?」
この部屋を紹介されて数週間もしないうちに、エリタは自分の物語も公開してみたい気持ちでいっぱいになっていた。
お母さんの許可を受け、まず最初に原稿用紙2ページ分のショートショートを専用のペンで専用の原稿用紙に書いてみる。
書き終わり、校正し、公開すると、すぐに自分の作品が本棚に飛んで行った。自分の書いた作品の表紙が、面白い物語と一緒に同じ本棚に並んでいるのがとても誇らしくて、エリタはますますこの部屋が好きになった。
今頃別の区域のWRの『Eの部屋』にも、自分の作品が本棚に収まっているんだ。国中の誰にでも読んでもらえる。
それが夢みたいで、エリタはその日一日中ご機嫌だった。
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