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ガチャでひくアサルトライフルがひらく夢★1-1
執筆作業中、気をそらさないよう、読みかけのまんが、リップクリームやソイジョイなどを放り込んでおいた百均の収納ケースの中でスマートフォンが振動している。
柊かのんは、一区切りついたら折り返しかければいいやと放っておいた。近頃は家電だけでなく、携帯にもうさんくさい業者がかけてくる。
あぁもう……これにわりんこだな……。
かのんは億劫そうにパソコンの前を離れ、収納ケースのふたを開ける。案の定、「にわりんこ」こと、丹羽凛子からの電話だった。
人差し指で応答をフリックし、電話に出た。何が──と訊く前に凛子がいままで聞いたこともないテンションでまくし立てる。
「のん、ちょっとちょっと聞いて!「レストレス・ドリーム」の秋下P知ってるよね? あたしらのまんが読んでくれてるんだって──!」
日本語で言え、とかのんが切れ気味につぶやくと、だんだん凛子も落ち着きを取り戻し、さっき何が起きたか説明しはじめた。
「たしかに凄いね、それ」
と、返すやいなや凛子は「なんだよその薄いリアクションはよう」と気に入らない模様。
凛子とかのんは、秋葉原を舞台としたオンラインFPSゲーム、「レストレス・ドリーム」の二次創作を描いている。
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