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ガチャでひくアサルトライフルがひらく夢★2-1
柊かのんはリクルート・スーツなど持っていなかったから、GUで買った白のプレーンなブラウスと灰色のカーディガンでリモート面接に臨んだ。あらかじめ、メールで「レストレス・ドリーム」運営からはスカイプのIDが届いている。
ウェブカメラの映像と音声をチェック、問題なし。
ただし、かのんの背後には本棚とそこからあふれて積まれた本の山が丸見えだった。これはどうしようもない。
スカイプの着信音が響いた。
かのんはすぐに通話開始のアイコンをクリックする。
ハートのネックレスですぐに秋下Pだとわかった。
「はじめまして、柊かのんと申します」
秋下Pは、凛子やかのんよりほんの少し歳が上のようだった。
「こちらこそはじめまして、柊さん。『レストレス・パルス』はいつも楽しく読ませてもらってます。あ、そんなに緊張しないでください、もうスキル的には実質採用決定なので」
そうなんですか! とかのんは驚いた。が、運営側はすでに『レストレス・パルス』を読んでくれているのだ。
さっきまでは、グラフィック担当の丹羽さんとお話していたのです、と秋下P。
「丹羽さんが言うには、柊さんとスカイプのチャットでお話するといいアイディアが浮かぶとか。もちろん実際に絵にする丹羽さんと同じお給料というわけにはいけませんけれど。それでもコンセプト・デザイナーとしてお願いいたします」
「え、そんな、こちらこそ、よろしくお願いいたします!」
緊張しないで、大丈夫ですよ、と画面の向こうでロングの髪に軽くカールをかけた秋下Pが微笑む。
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