1#1頭だけ特殊?な松阪牛

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 もぐもぐもぐもぐ・・・  んもぉ~~~~~~~  もぐもぐもぐもぐ・・・  んもぉ~~~~~~~  このとある放牧場には、無数の松阪牛が飼育され、各々牧場の草を食んでいた。  もぐもぐもぐもぐ・・・  んもぉ~~~~~~~  もぐもぐもぐもぐ・・・  んもぉ~~~~~~~  もぐもぐもぐもぐ・・・  んもぉ~~~~~~~  もぐもぐもぐもぐ・・・  んもぉ~~~~~~~  「ん?」「なんだよM142番。」  ここの牛達は、耳に付けている認識タグの番号を名前にして呼んでいた。  「あいつ、また群れを離れて食んでるよ。」  「ああ、M801か。」  耳に、『M801』のタグを付けた牛は、ポツンと一頭。ずーーーっと空を見上げていた。  「呼んでくる?」「いいよいいよ。何だかこいつ気持ち悪い。今度はうすら笑ってるよ。」  「やっぱりやめとく?」  「シカトしよ。俺ら牛だけど。」  そんなやりとりが、牧場の各々で行われていた。  近づき難い、ミステリアスな奴。  それが、『M801』と呼ばれた牛だった。  「うわ・・・気になる・・・」  『M346』号と呼ばれた牛が、恐る恐る今日も他の牛と離れて草を食んでいる『M801』号の側へやってきた。  「ねぇー、何で皆と一緒に居ないの?」    ささっ。  『M801』号は後退りした。  「ねぇ、何で居ないの?」  ささっ。  「ねぇ、」  ささっ。  「ねぇ、」  ささっ。  「ねぇ、」  ささっ。  「ねぇ、」  ささっ。  「ねぇ、」  ささっ。  「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。「ねぇ、」ささっ。  「ぜぇ・・・ぜぇ・・・何で逃げるんだよこいつは?!」  どんなに呼び掛けても後退りして逃げる『M801』に、ぜぇぜぇと『M346』は肩で息をしてへたばってしまった。  てくてくてくてく・ ・ ・  「なんだよ、いきなり?」  『M346』は、突然顔元に近づいてきた『M801』に困惑した。  「我は、宇宙の意思で忠告する。」  「何なんだよ?宇宙の意思って・・・気持ち悪いなあ・・・?あ、拗ねた。」  「だって・・・本当だもん。宇宙の意思だもん。いじいじ。」  「解ったよ!解ったよ!で、忠告ってなあに?」  「間もなく、あの山が噴火する。」  「バカ言うなっ!あの山はだいぶ昔に噴火したというけど、今はそんな形跡ないぞ?!  デタラメ言うなよ?」  「デタラメじゃないもん!本当に宇宙の意思が言ってるんだもん!いじいじ。」  「解ったよ!解ったよ!宇宙の意思でしょ!はいはい!」  ・・・なんだこいつ・・・宇宙の意思とか火山噴火とか・・・  ・・・きが狂ってるんじゃね?・・・  「はっ!まさか・・・こいつは!?」    ・・・・・・  ・・・・・・
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