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2日後~1月20日~
「ねぇ、今日はクラスの人数、24人だったね」
「それは前からでしょ。どうしたの、有里さん? 何か最近、やたらとクラスの人数にこだわってるね」
それに、どうして急に私に声を掛けてくるようになったんだろう。
私はクラスで浮いてる方でもないが、特に親しい人はいない。仲良しグループに入ったりすることもなく、休み時間は適当な子とお喋りしてることが多いのだ。
…… つまり、私と話しても有里さんが得になることなんて何もない。
もっと人数多いグループとか、発言力が強い子に取り入れるとかなら、わかるけど、どうして今更、私に……?
私の疑問など全く気にしていない様子で、有里さんは 「覚えてる?」 と尋いてきた。
「一昨日は 『25人』 って言ってたんだよ、わたしたち」
「そうだったっけ? 覚えてないなぁ」
「怖くない?」
「覚えてないから、なんとも言えない」
「じゃ、記録してみようよ」
「はぁ!?」
「携帯に今の人数をメモしとこうよ。それで、次に比べて減ってたら…… 何かあった、っていうことだよ」
有里さんはいかにも重大事項みたいに声を潜めたが、私にはいまいち、ピンとこなかった。正直言って、面倒くさい。
けど、有里さんの提案をわざわざ断るのも、同じくらい面倒くさかった。
「いいよ」
私はスマートフォンを取り出し、メモ帳アプリを開いてメモした。
『1月20日 24人』
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