りのちゃん、雲にのる

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「りのちゃんのステキなとこ、わかった」  あやねちゃん、おぼえてくれてたんだね。 「うたのこと?」 「うん。うたもとってもじょうず。それから、わたしのいうことしんじてくれるとこ」 「それって、ステキなところ?」 「うん。とってもだいじなところ」  あやねちゃんは、ぎゅっと手をにぎってくれた。  やっぱりあやねちゃんはステキ。  そしてステキなとこはひとつだけじゃないんだ。  そうだ。  わたしにいってくれたみたいに、ステキなところをいっぱいみつけておしえてあげよう。  これは、わたしからあやねちゃんへのこころのプレゼントだね。  みんなのステキなところも、もっともっとみつけておしえてあげよう。 「それじゃあ、またあしたね」 「うん、またあした」  あやねちゃんが、バイバイと手をふった。  その手のむこうのそらには、一ばんぼしがひかっていたよ。
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