りのちゃん、雲にのる

2/6

5人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
「わたしのステキなとこって、どこかな」  がっこうのかえりに、あやねちゃんにきいてみたの。  そしたらあやねちゃんは、しゅくだいのことであたまがいっぱいだった。 「おはなしつくるのって、むずかしい。りのちゃん、もうかんがえた?」 「まだだよ。うーん、なにかないかな」  わたしはぐるっと見まわした。  にしのそらに、もこもこのくもが見えた。  そのくもから、いくつもひかりがのびている。 「あそこのくものひかってるところ、キラキラしてるね。あのひかりがエスカレーターになって、くもの上にいけるといいのにね」  あやねちゃんはうーんとかんがえて、とつぜん目をぱちんとひらいた。 「ほんとにやってみればいいんだ。そしたら、おもい出してすらすらかけるでしょ」 「そんなこと、ムリよう」  あやねちゃんは、にいっとわらう。 「どうしてムリってきめちゃうの? あのね、わたし、はくちょうになったことあるの」
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加