下足痕、略してゲソコン

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すると、天井にビッシリと浮かんでいた足跡が増えていることに気がついた。 「全く、さっきの忍者が足跡をつけていたのか…… 汚ぇな」 私がこう考えている間にも足跡は増えていく…… よく見れば姿が透けて薄ぼんやりと光る人間達が恨めしそうな顔をしながら天井にぶら下がっているではないか。我々の同胞にも「ホタルゲソコン族」たる「労働種」がいる、体が小さくて光ると言う我々とは違った外見故にこの扱いになっている。人間(ケナシザル)にも似たようなものがいるのか…… と、思った瞬間、彼らは私に向かって手を伸ばしてきた。力が、いや、全身そのものが抜けていくような感じを覚えた。 私は全身を天井際まで持ち上げられ、くるりと回転させられた。私はベッドの上で眠る自分の姿を見る羽目になってしまった。紛れもない「ゲソコン星人」である自分が目の前にあった。 どうやら、私はこの星で言うところの「幽霊」になってしまったようだ。そうか、死ぬとこうなるのか…… 調査(リサーチ)不足だったようだ…… 怪しい足跡を見つけた時点で、逃げていれば…… それにしても無念はこんな危険な星を放置することだ…… 我が同胞(ゲソコン)達よ、この地球(ほし)は…… 危険だ。 地球は幽霊によって(意図せずに)救われた。                                                                   おわり 翌日、忍者はニュースをボーッとしながら眺めていた。 〈今日未明、都内アパートにて巨大なイカの死体が発見されました…… 警察は『イタズラ』として捜査を…… 家主は消息不明で…… 警察は行方の方を…… 次はお天気です〉 忍者はボソリと呟いた 「平和な世の中だ」
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