もう一人の店員さん

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「オーナー、ちょっと不躾じゃないですか?」 柏葉さんが助け船を出してくれた。 「何が?プレゼント?としか聞いてないだろ。ねぇ、那月ちゃん」 無理矢理頷く外なく、「じゃあ、そろそろ失礼します」と口早に言って店を出た。 家に着いてピアスを外そうとした時、携帯が着信を告げた。 「もしもしー?」 『あ、俺。久しぶり』 「へへ、久しぶり。どうしたの?」 『仕事少し調整つけてもらったからさ、来週末、那月のとこ行くから。泊めてよ』 「…!うん、分かった。掃除しとくね」 『駅着いたら連絡するから。じゃ』 ピッ 遠恋中の彼、服部亘からだった。会うのはおよそ三ヶ月ぶりだ。 ピアスを丁寧に外して、パックはどこにしまったかな、とローボードの引き出しを探った。
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