途切れた足跡の謎

　ホームズは窓から校庭を見ると、ポケットから小型の双眼鏡を（彼は拡大鏡と双眼鏡を常に持ち歩いている）取り出した。
「ふむ・・・それぞれの足跡は全く同じ靴裏だ。しかも、足跡に二度踏まれた形跡はない。つまり、後ろ向きに足跡の上をたどったのではないな」
「じゃあ、どうやったの？」と、アガサ。
「考えられることは、ただひとつ・・・」

　ぼくたちは固唾を飲んで、ホームズの推理を待った。
「校庭の真ん中に来たとき、たくさんの妖精がやって来て、彼を空に運んだんだよ」
「何よそれ〜っ！」
　アガサがホームズを突き飛ばして、男子がホームズをボコボコに（もちろん手加減はしている）した。
「イテテテ・・・妖精は存在するんだよぅ」
（註　コナン・ドイルは、妖精のねつ造写真を本物だと主張して、評判を落とした）

　ホームズは全く役に立たなかった。
　さて、このトリック、みなさんには解けるかな？

〜答えは次のページに
　・・・アルセーヌ・L〜