あたらしいせかいと、ふるくなるぼくと

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「雨」 ペトロールズの「雨」を聴きながら職場へ向かう。 高架から一望できる街の様子は、外見はあまり変わらないように感じる。 でもその中身は今までと変わってしまったような気がしている。 箱の中で溶けて形が変わってしまったチョコレートのように。 みんな自分の理想を自分に投影している。 前を向いている時は、後ろは見えない 上を向いているときは下は見えない。 自分が思っている自分の像は、きっと真実とはちがうのだろう。 誰もがその誤差に気づくことが不可能だとしたら おれは、ちゃんと、生きているのだろうか。 1人の人間として。 雨の後には日差しがあり、その後にはまた雨が来る。
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