第一章 世界

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第一章 世界

   ミュルン・ヘイグ・イルミナースの世界は原初の存在である巨人ミュルン、巨竜ヘイグ、妖精イルミナース、そして荒ぶる精霊によって創りだされました。日本で言えば「ダイダラボッチ」のように。元々は全て地続きの大きな一つの大陸でした。この大陸は古代大陸オルセニアと呼ばれています。私たちの世界で言えば、パンゲア大陸のようなものです。これらが分裂してローラシア大陸、ゴンドワナ大陸となり、更に分裂して、ユーラシア大陸やアメリカ大陸となったように、このミュルン・ヘイグ~世界の大陸も分裂しました。  それが二百年前による精霊たちがもたらした大災害『大呪戒』です。大陸を分断し、常夜を招き、呪われた死者が蘇りました。 世界の大陸と島  この世界は三つの大陸に分かれています。一つは古代大陸オルセニア、一つは南西部に位置するヨーデリッヒア大陸(オーストラリアのような形状。四国でもいいけど笑)と、南東部にある忘れ去られし大陸アドムンディアです。 古代大陸オルセニア  物語のメインとなっている大陸で、最初の大陸の名前をそのまま受け継いでいます。そして最大級の大陸で、ユーラシア大陸とアフリカ大陸を合わせた程度の規模を誇ります。中国、モンゴル、タイ、カザフスタンと言った国を引っこ抜いて、インドネシアやフィリピン辺りに配置したような形状です。日本列島の位置には日本列島みたいな島国もあります。他にも島は沢山あります。  現在物語のメインとなるアルフェリアという地方は、このオルセニア大陸の最西部にある大半島で栄えている王国群を指します。アルフェリアは西ヨーロッパ州とでも考えてください。  この広大なオルセニア大陸には、精霊樹と呼ばれる天を突く巨木の四本のうち二本があります。一つはアルフェリアにある風の精霊樹フェリルルの大樹、もう一つは大陸南東部の大地に埋没せし大地の精霊樹リュササンの大樹です。その名の通り、流砂に埋まり、頭だけを覗かせていますが、それでも数千メートルに達するでしょう。  オルセニアは中国ほどの規模に達する大山岳地帯や大雪原地帯、大森林地帯、大流砂地帯など、大規模な地形が存在するのも特徴です。かつての星を落とした流星戦争の傷跡となる流星の跡も二か所存在します。  大流砂が存在する地帯では、私たちのエジプトに似たピラミッドやスフィンクスもあります。 ヨーデリッヒア大陸  大陸の半分を巨大な湖で占められた大陸です。湖の面積は中国並みとなります。これは流星戦争の落ちた星の跡が湖と化した場所です。かつては主要魔法王国が存在していた場所で、魔法都市群の遺跡イプセン・グランセも残っています。が、流星の跡は深刻で、人が近づけないとされます。それは高濃度マナ「ミスティア」の影響とされます。私たちの世界で言えば、放射性物質(放射能だと本来表現として不適切)に汚染された被曝地帯のようなものです。 忘れ去られしアドムンディア大陸  人知れずとなった大陸です。世界山と呼ばれる竜峰スランザウラと呼ばれる最高峰の山があります。富士山が火星のオリンポス山のようになったと考えてください。その山巓(さんてん)は当然望めません。この山にはその名の通り、スランザウラという最古の老竜(エルダー・ドラゴン)が棲んでいるとされます。その(よわい)は数千万歳とも数億歳とも云われており、大陸(世界を大陸と呼びます)で唯一失われた歴史を知る神性を秘めた竜です。竜は本来、竜齢(りゅうれい)と呼ばれる年齢で数えるらしいです。  この大陸の西脇にある島には、燃ゆる火の精霊樹であるファーレ・ファ・グン・ムーの大樹があります。大樹の枝葉は常に燃えて明滅しています。そのため、非常に高温地帯です。この島には太古の種族、火山ノルドと呼ばれたノルドたちの故郷があります。そして、聖獣ルビン・タルカサスが棲息すると今も信じられています。 失われしアミス島  アルフェリアの北に位置する絶壁の島です。私たちの世界ではグレートブリテン島辺りです。ここは周囲を絶壁で隔絶されています。山が海食によって出来上がったというのが通説となっています。上方は常に深い霧に覆われていて、全貌は知られていません。  云い伝えでは、この島(山)は遥か昔に上部を切り離されたといいます。それは今も天空を浮遊する島として語り継がれています。かつての魔法文明の最後の魔法王マルス・バランガンによって、蛮人たちから逃れるために切り離したといわれています。これら天空の民を魔法民(ソーサリアン)アクサートの民と呼び、今も古の魔法を伝えているとされています。 詩島  アルフェリアの遥か南南西の海に浮かぶ島で、謎の古城ブリュッセン・デラヒアがあるとされています。それがどういう城で、ブリュッセンとは何かを誰も知るものはいません。  絶海の孤島であり、周辺海域では不思議な歌が聞かれるといいます。その詩もある民に伝わっており、そこから詩島と呼ばれています。人を魅惑する呪いを歌う人魚メローやセイレーンの噂が絶ちません。 ユークラテッサ島  オルセニア大陸西部、つまりアルフェリアの東部にあたる地域の南にある島で、聖王国シルヴァランスと敵対する帝国ブラディーの領土。不穏な噂ばかりが生まれている島です。 バルサス列島  大陸の東に位置する島々。日本辺りでイメージしてください。その文化は謎ですが、竜殺しアッシュフォードが最後に消息を絶った島です。この島一帯はかつての邪竜、紫電竜ムマルダの支配下に置かれ、そしてアッシュフォードに退治されました。   虚無の洋中(わたなか)  言い伝えではどこかの海に、全てを呑み込む虚無の大穴があると云われてわれています。原初の三体はここから這い出したという云い伝えです。  
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