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「おい、闇命よ。これはどうすれば──いててててて」
「あ、玄乃ちゃんが禿げちゃうから髪を引っ張ったらダメだよ──いててて、私のは良いってことじゃないよ〜」
玄乃が抱っこしている刹鬼は悪戯娘で、困っているのを見るのが楽しいらしい。
闇命や玄乃も相手が子供なため強く出ることが出来ない。
「ひひっ」
少し怪しい笑みを浮かべる子供に、闇命と玄乃は暗鬼の方に目を向けた。
そちらは黎と彲が楽しそうに暗鬼と遊んでいた。そして、再度刹鬼の方を見ると、無邪気に笑いながら玄乃の手を噛んでいた。
「いててててて………。なぜこんなに違うのか」
「さ、さぁ……。まぁ、でも、無邪気に笑っているし、楽しそうだからいいんじゃないかな……」
「うむ……」
玄乃が再度刹鬼を見ると、つぶらな瞳で不思議そうな顔を浮かべ玄乃を見つめていた。
「…………子供とは……」
「わかるよその気持ち。恨みたくても恨めないよね……。ある意味早く戻って欲しいよ」
「あぁ……」
楽しげな声と疲れたような声が森の中に響き渡った。
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