なぜこうなった!?

8/10
前へ
/112ページ
次へ
「おい、闇命よ。これはどうすれば──いててててて」 「あ、玄乃ちゃんが禿げちゃうから髪を引っ張ったらダメだよ──いててて、私のは良いってことじゃないよ〜」  玄乃が抱っこしている刹鬼は悪戯娘で、困っているのを見るのが楽しいらしい。  闇命や玄乃も相手が子供なため強く出ることが出来ない。 「ひひっ」  少し怪しい笑みを浮かべる子供に、闇命と玄乃は暗鬼の方に目を向けた。  そちらは黎と彲が楽しそうに暗鬼と遊んでいた。そして、再度刹鬼の方を見ると、無邪気に笑いながら玄乃の手を噛んでいた。 「いててててて………。なぜこんなに違うのか」 「さ、さぁ……。まぁ、でも、無邪気に笑っているし、楽しそうだからいいんじゃないかな……」 「うむ……」  玄乃が再度刹鬼を見ると、つぶらな瞳で不思議そうな顔を浮かべ玄乃を見つめていた。 「…………子供とは……」 「わかるよその気持ち。恨みたくても恨めないよね……。ある意味早く戻って欲しいよ」 「あぁ……」  楽しげな声と疲れたような声が森の中に響き渡った。
/112ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加