第六話

1/2
前へ
/23ページ
次へ

第六話

たったった、と軽快な足音が近づいてきました。 「準備は?」 遅れて来た日向先輩、指示はもらっていた。 「完璧」 「あれで本当にいいんだろうな?」 絶対引っかかりますから。 俺たちは、店の自動ドアの鍵をあけてもらい。 店先で、何が起きるのか、じっとこちらから見ることにしたんです。 白井巡査にお力をお借りしております。 吉田さんにもお力をお借りしました。 「なんで、閉店時間と関係があるんですか?」 「それは回収する時間が必要だからなんだ」 「それはわかります、でもこんな早い時間から」 「そう、早い時間じゃないと困ることがあるんだ、そして確実に店が休みじゃないと困るんだよね」 今時間は夜七時です、たぶん俺たちの感があたっていれば、深夜十二時までの間に犯人は現れるはずなんです。そしてチャンスは二回、十九時と二十時。 車の音が聞こえてきました。 駐車場に止めた車は、店が休みなのを確認すると、横に回り、自動販売機で何かを買って帰って行きました。 スマホがなりました。 「来たよ」 「オッケー、それじゃあ頼むぞ」 「ラジャー」 車の音が聞こえた。 「バックします、バックします」 よくトラックなんかがバックする時に聞こえる音だ。 バン!とドアが閉まる音がした。 しばらくすると、店の中を明かりが動き出した。 「いいぞ」 「いきます!」 車のライト、一台の乗用車が入ってきた。 すると・・・。 ガシャン! ドシュ! と聞きなれない音がしたんだ。 「今です!」 俺たちは走りだし、持っていた懐中電灯を店の中に向けた。
/23ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加