第六話

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「何をしている!不法侵入だぞ!」 中にいた人影はあわてて、搬入口の方へ向かった。 ガチャガチャ 「おさえろ!」 「あけさせるな!」 の大きな声、そして俺たちは中へ行き、吉田さんに聞いた明かりをつけた。 「そこまでだ、両手を高く上げなさい!」 吉田さんには外で警察を呼ぶように言ってある。 俺たちは白井巡査の先輩の島田さんに借りた防弾盾を持っている、もしも撃たれてもいいようにだ。 犯人の足元には脚立が転がっていた。 「何も持っていないようですね」 それでも気お付けてください。 じりじりと近づいていく、外ではパトカーの音が聞こえてきた。 「早くね?」 「うん、早すぎる」 ガシャンと何かが倒れる様な大きな音が外から聞こえた。 「白井!」 「先輩、こっちです!」 島田さんが駆けつけてくれた。 もう観念しただろう、警官二人が近寄り、男性を取り押さえた。 「これが拳銃?」 「拳銃だって?」 そこには俺たちが推測した通りの物が転がっていた。 「弾は?」 「入っていません、一発だけの様です」 パトカーが到着した。 降りてきたのはやっぱり野上さん達。 俺たちがいるのに気が付き、あちゃーっと言った。 「遅いよ」 「まったく、ちゃんと聞かせろよ!」 ハーイなんていう俺たちの声。
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