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第七話
殺人犯を確保しました。
「俺は殺してない!」
「いや、君は殺人犯だよ、あそこを見て?」
ガラスに貼られたビニル、そこを弾が突き破っていた。
「なんだこのビニルは?」
「お見せしましょうか?吉田さん、ここだけ明かり消せますか?」
ハイという声、入り口の近くの明かりが消えた。
「なんだこれ?」
「影絵?ですか?」
そこには人が立っているように見えた。
明かりがつくとただのビニルだ。
「外から明かりが入って、人がいると思って撃ったんですよね、誰もいないはずなのに」
「どういう事だね?」
俺たちは、トリックにつかった物を回収するのは今しかないと思ったことを話した。
「会社の車は、この時間荷物を下ろしに来るんです、それといろんなものを回収していきます」
「それで?」
俺たちはトリックで使われたのは鏡じゃないかと思い、店の鍵を預かっている吉田さんに頼み、それを探し当てた。
「それとは?」
「あれですよ」
指を差した。
何?どれ?なんていう人たち。
「鑑識さんが来ないとだめだよね」
「野上さん、何で早かったんだよ」
来る途中で、連絡が入ったんだよ。と口を尖らせる人。
「とにかく犯人の確保はしてください、彼は一人を確実に殺していますからね」
犯人は、トラックでコンビニの荷物を運ぶ人だった。
まあ内部犯だとは見当がついていたし、ちょっとずつ何かをしていればいいわけだしね。
鑑識さん達が来た。
「ほう、これは、さすがだな」
天井から取った物は、両面が光るステンレスの薄い板だ。
「鏡か、うまく使ったな」
「指紋は取れそうですか?」
「しっかりと着いてるさ」
たった一枚の小さな板、それがカメラの前についているんだ、映らないはずだよね。でもそれが今はぴったりと天井に張り付いている。
「どうして内部犯だとわかった?」
「まず、映像がおかしかったのが最初だ」
「ああ、何も映ってないのな」
「単純に鏡を使ったトリックじゃないかなと思ったのは、天井が鏡になっていたからだよ」
防犯のため、天井には鏡じゃないけど、そういうのがあるのだけはわかっていたから。
「それと、前の映像、それに店長さんが写りこんでいない」
「そうなのか?」
「だからだよ、見落としてんじゃねえよ、画面が写ったのは警察が来てからさ」
「警察?」
「さっきの犯人はパソコン操作もできるんですよ、会社の人間なんですから」
「パソコン操作して?でも先のじゃうつりこむだろ?」
「もしも、警官たちがここにいなかったら?」
「そう、みんなが事務所に行っているとき、誰もいなければ、犯人は、箒の柄で、板を上げちゃえばいい、その間は映像は止まっているんだもん」
それともう一つ。
もう一つ?
何のために、警備会社に入っているんですか?
そうだという人たち、来ない時点でおかしいでしょう。
じゃあそっちにも…
まあそれは警察でちゃんと調べてください、それと店長さんをすぐ釈放してください。
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