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第三話
次の日の朝早く、俺はサイレンの音にたたき起こされた。
下に降りていくと二人も起こされたと起きてきた。
「救急車、年寄でも倒れたかな?」
そうかもな、なんて、顔を洗ったり、朝飯を食べようと思い、椅子に手をかけた時、スマホが鳴った。
吉田さんだ、昨日店長と彼女と番号を交換した。
電話に出ると、おはようの言葉をかき消されるほどの声で助けてと言われたのだった。
大きな声、電話をびっくりして離したときに聞こえた声に父さんがどうしたんだと聞いてきた。何が起きたのかわかんないから出かけるといい、着替えをして、父さんとコンビニへ向かった。
そこには、またしても救急車とパトカーが。
そして俺たちは目にした。
コンビニの隣の公園から、人が運び出されるのを。
そしてパトカーには店長さんの姿。
店先でそわそわしている吉田さんに声をかけようとしたら彼女は飛び出し抱き着いた。
「どうしたんですか?何が起きたんですか?」
朝出勤してくると、公園にたたずむ店長、声をかけようとしたら、人が足元に横たわっていた。
「俺じゃない。俺じゃないんだ」
店長のその声に、足元にいる人、すぐに救急車を呼んだそうだ。
店の中に入り、落ち着かせながら、窓の外を見ていた、横たわる人は動かない。
人もだれも通らない始発前の朝の時間。
救急車の音にとび出て誘導。
でもその人は死んでいた。
「男性だったんです、店長は、昨日倒れていた男性だっていうんです」
「昨日の人?」
「はい、それとこれ、昨日の女性も亡くなりました」
新聞を渡された。
「銃殺?はァ?」
「殺人事件になったと言う訳か」
「はい」
死んだ女性は、近所の一人暮らしの五十代の女性だった、何でこの人が死んだんだろう?
公園の方に目をやると、鑑識の人が目に入った。頭を下げると、久し振りと言うように片手を上げた。
その時父さんがこんなことを口にした。
「野次馬がいないな」
そう言われるとそうだ、朝早いにしても、俺たちはあの救急車の音で起こされたのに。うえをみあげた。
「みてるな?」
覗き込むようにして見ているマンションの人たち、でも俺は気になったのは、周りの一軒家の方だ。
何か嫌な感じがした、それはこの間の朝感じたような、俺をちらっと見ては、遠くからじっと見る様な感じを思い出していた。
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