黒い5つ星こわい~よい子の童話~

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お星さまが食べたいな お姫さまは思いました 夜空をティンクルティンクル照らすあのお星さまが食べたい 食べたい食べたい食べたい食べたい食べた~~い!!!! あのお星さまを取ってきてと、お姫さまは言いました 大臣大臣! できません 召し使い召し使い! できません みんなそれをことわりました ある日うわさを聞きつけた魔女が、お城に現れお姫さまに言いました そんなに星がほしいならこれをどうぞ 魔女はいかにもあやしげなかごのふたを開けました なにこれ? ブドウ味の星ですよ その中身は星形のパンに見える星でした それが五つ並んでいます ティンクルティンクルしてな~い! こんなのお星さまじゃな~い! すると魔女はこう言いました 星は夜空にいるときだけ輝くのです 堕ちてきたらみんなこうなるのです 一口食べたら止まらなくなるおいしさですよ その言葉にさそわれ、お姫様は一口パクリ すると それはふつうにおいしいぶどうパン 否、お星さまでした おいし~ぶどうパンみた~い 城のものたちは思いました ぶどうパン確定じゃね 間をおいてニヤリとする魔女 そしてこれが、とかごの中からもう一つ取り出したのは ティンクルティンクルした粉が入った小びんでした それをあのパン 否、“お星さま”にふりかけると !? あのパンにそっくりなお星さまが輝き出しました わああ、ティンクルティンクルしてる~~!? 一口食べるとその味はお姫さまを夢遊浄土(ワンダーランド)へといざないました “おいしい”で喜怒哀楽を表現します 城のものたちは思いました あれやべえ“●物(こな)”じゃね? 気がつくとお姫さまはお星さまをぜーんぶたいらげていました く、苦しいい… 突然お姫さまがむねをおさえて苦しみだします いつのまにか姿を消していた魔女は、その様子を城の外からのぞいていました 宙に浮いたほうきにまたがってニヤリと笑うと よくばるからだよ そう吐き捨てて闇の向こうに消えました それからお姫さまは寝込んでしまいました 五日目の夜のことです 空にはたくさんの星がならんでいました 窓を開ければ届きそうな ティンクルティンクルお星さま~ 病床のお姫さまはそれをつかもうと手を伸ばし 時エンド 天に召されました それから夜空に星がもどり、ティンクルティンクルまたたくようになりました そして毎年⚪️月の五のつく日の夜に、お星さまが5つ並んでいるのを見た者は死ぬぞ~と語り継がれるようになったとかならないとか            おしまい。
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