第三話

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「嫌がらせか?」 「ひどいでしょ」  張り付いていて、開かなくて、バールでバリバリ音を立て開けたそうだ。中には、ものすごいいたずら書き。中にある、ユニフォームまで、凄い事になっている、まるで、ペンキをまき散らしたかのような有様、乾いてバリバリになっている。だいぶ使っていないようだな。 「よくこれで、新人王とったな」  俺は持っていたカメラで写真を撮っていた。  中にある、シャツなんかをさわった。これは後でおいたものか?  かさっという音。?  病院の薬の袋?中身は、睡眠薬、胃薬、安定剤、ビタミン剤。日付は?去年? 「ロッカー、カギがかかってて」 「何で開けた?」 「スペア、借りてたから」  ほかのロッカーは?  中が入っていても開いていたという、みんな、のぞいてみたそうだ。  誰かに話したか?  まだだという。 「晃さん、俺、なんか手伝えないっすかね」  何でそこまで肩入れをする?  坂崎は母子家庭、病気で亡くなった野球好きの父親のためがんばって、プロになった。  がんちゃんも野球は好きだ、体さえ丈夫なら、母親を助けてあげられた。  彼も、母子家庭だった、今はガタイもよくて、稼ぎ頭だが、学生の頃は、病気がちで、そのせいで母親は早くに亡くなってしまった。今でも、熱を出したりすることがあるから、きちんとしたサラリーマンのような仕事はできない、この仕事なら、休憩したい時に休め、自分の体調と相談しながら仕事が出来るのだ。 「仕事は?」  水漏れの原因はわかった、後は業者を入れればいい。 「これ、どうしよう?」 「まさかとは思うけどな・・・」  ロッカーは元に戻して、カギをかけた、話は俺がする。あのタオル類は俺が預かって社に戻った。 「真崎ちょっと、デスク会議室借ります」 「なんかいいネタあったのか?」 「いえ」  パタンとしめた。 「あいつは俺が上司だってことわかってんのかね?」 「わかってるんじゃないですか?デスクって言いましたしね」  ふむ。早くできたの上げろー!という声が響いた。  真崎に、原稿は上げたのかと聞いた。 「はい、今朝」  この間、坂崎選手を怒鳴っていた人を知っているかと聞いた。 「はい、広報部長さんです」  広報か……。 「なんかあったんすか?」  俺は写真を見せた。 「なんすかコレ」 「いじめだな」 「最てーっすね」 「まあ、坂崎も、態度でけーからな」 「それでもここまでしますか?」 「あいつが我慢してればいい」 「なんすかこの薬の袋、坂崎のだ」  俺はなんとかその広報部長さんと会えないかオファーをとってもらう事にした。そして、俺は彼の事を調べた。
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