第五話

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「ん?どこだ?あー、バーちゃんちだ、何時だ?五時か、しょんべん」  さてと、昨日の事を記事にして、写真も使っていいって言われたし。そうだ、白い恋人、持って行ってもらったかな、ん?白い恋人? 「ウワー―――!」 「何!」 「どうした!」 「地震?」 「んー、寝ぼけるなよなー」 「晃―、どうした?」  シューっと走ってきた千晶がのぞいた。 「あわわわ、ち、千晶、思い出した」  何を? 「北海道行ってきた」 「おもいだした?」 「うん」 「よかった~って、ちんちんしまおうか」 「え?あ、うん、ごめん」え?と下を見た。あ、うん、ごめん、としまった。 「酒飲んで頭の血が上ったんじゃな、それで思い出したんじゃ」 「よかったー」 「ほんとだよ」 「悪かったな大声出して」  朝飯、みんながテーブルに着いた。  昨日、あの後のことを聞いた。  飲んで、食べて、機嫌よく帰っていった。がんちゃんはいい物件を探しておくと約束して。サインももらったし、写真も撮った。祐たちは俺のカメラを勝手に使ったと言っていたが、そんなの構わなかった。彼、坂崎投手が今後、変わってくれればいいのだから。  部屋に戻っていろいろ話した。 「よかったのかな?」 「ねえ、どこまで思い出した?」 「んー、全部じゃないかも?」 「全部じゃない?」  千晶に座れといった。 「なに?」  抱きついた。 「もう、朝っぱらから」 「いいだろ?」 「だーめ」 「なんで?」 「そこ、思い出すとこでしょ?」 「ん?あーわかってるよ、ここは、ばあちゃんちだもんな、隣で聞いてるだろ、出て来い、分かってんだぞ」  尚と祐がふすまを開けた。 「よかったね、戻って」 「俺なんも聞いてねーし、さーてと、学校」  支度をしながら弟たちの話に耳を傾けた。  感謝だな、俺がいない間いろんなことを聞き出してくれて、大きな収穫があった。坂崎の痛み止めは、指のケガ、大したことはないが、傷より、痛みのほうが勝るので薬は手放させないんだそうだ。  まだあの薬の真相は聞き出してはいない。  がんちゃんが探したマンションは、すぐそばに病院があり、もし、結婚しても、二世帯住宅のように区切ることができる物件だった。 場所もいいし、治安もいい、年寄り向けの施設もありそうだ。 坂崎選手は喜んだ、そして騒動は幕を下ろすかのように思えた。
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