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その後、ブルペンで投球練習を見た。軽く流して引っ込んでしまった。
「もう終わり?」
「おかしいな、故障でもしてるんじゃねーか?」
「でもそんなふうじゃ」
「病気とかは?」
「ああ、俺調べてきます」
「おう」
ズキッ、頭が痛い、目の奥が痛み出した。
薬、水、水。
水道を見つけ、薬を出して飲んだ。ゴミ箱に入れようとして、同じような薬の入れ物があるのにきづいた。
ここにいる選手か?
あたりを見回す、ほとんどが彼狙いか、出て行くとぞろぞろと後追う。何となく俺はそれを取り上げポケットに入れた。
社へ戻って来て、俺はそれを眺めていた。
夕方で戻ってくる人の波を見ていた。
そうだ!
「川島さん」
「オー、お疲れ、土産もらったよ、なあ、お前、記憶喪失ってホント?」
千晶が来てくれた、ちゃんと部長たちにも話をしていってくれたそうだ。
「うん、北海道に行ったの憶えてなくてさ」
「ハーン、じゃあ、その間に俺が千晶ちゃん狙って」
「馬鹿なこと言わないでくださいよ俺、パパですよ」
「ほう、それは覚えてたか、残念」
「もう、あの、これ、調べてほしいんですけど」
「何だ?ヤク・・・か?」
「たぶん普通の薬、これ俺の、裏に名前があるんすけどどーもわかんなくて」 ポケットから痛み止めを出した、それを裏表見ている。
「ふーん、いいけどね、ネタは共有してくれるんだろうな?」
「あの、それ、俺がしてたんですか?」
「おい、マジで忘れたか!」
「んー、憶えてなくて」
「晃、お前別れろ、千晶ちゃん俺にくれ」
「はー?」
「あげまんですよ、晃さん千晶さんと出会ってからずーっとつきっぱなしで」
横に座ってる後輩記者が言う。
「そうなの?」
「そうだ、別れろ」
「嫌です」
「当たり前ですよ、やっと晃さんにも光がさしてきたんですからねぇ」
そんなことを言われ、それでも調べてくれるという、社会部の先輩に頭を下げた。
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