スクープ1 ジャガイモと記憶喪失 第一話

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スクープ1 ジャガイモと記憶喪失 第一話

 外から子供たちの騒ぐ声が聞こえる・・・  今何時だろう・・・  腕を伸ばし・・・  目覚まし時計をさがす。  何時だー?六時?六時か―…… ?ウソ! 「やべー!仕事!イッテー!」  体を起こしたときズキンというものすごい痛みにこめかみを押さえた。  外をのぞいた、夕方?朝焼けか?家の中が真っ赤になっていた。ベッドから起きると机の上にあるデジタル時計が18時を指していた、やっぱり夕方か?寝すぎ?いや、仕事からいつ帰ってきたんだ?スマホをのぞいた。あれ?故障?落としたのかな?液晶画面にはひびが入っていた。壊したのかな?交換してこなきゃ、データー消えてないよな?  寝室から出る。  ん?  頭かゆい。もう一度寝室に戻った。  あれ?  なんか自分の部屋じゃないような気がした。  先にション便。  ところどころにある見たことのあるような、ないような物たち、トイレに行くと目に入った洗面台には歯ブラシが二本?タオルも、女物?赤やピンクの小物。  それといい匂いにキッチンへ、鍋を開けると湯気の立つ味噌汁、おかずにはラップが掛けてある、茶わんやお椀、どれも二つ?   ???  はーい、それじゃあ、ありがとう  千晶ちゃんの声が聞こえる方を見た。ドアが開いた。 「起きた?」  お、おう  変な返事しかできなかった。  なぜ彼女がいるんだ? 「大丈夫?」  ごめん、なんか覚えてない。歯を磨きながら答えた 「そりゃそうよ、頭痛くない?」  頭?  そうだ、かゆくて。  触ってみた。 「い、イッテー!」  ものすごい痛みにしゃがみこんだ。  大丈夫と体を触る千晶。階段から落ちたという。 「どこの?」 「ここの、覚えてないの?」 「うん」  頭をのぞいている。アー、おっきなたんこぶ!血が出てる。  手を見た、血、少しだけどついてる。見えないから恐怖だ。  どうしようー。 「ねえ、今日は何月何日?」  彼女はすぐに救急箱を出してきた。  何月何日だろう? 「嘘!」  ドキン!目の前に千晶ちゃんの顔が出てきた、ドアップにさらにドッキドキ。 「ねえ、昨日までどこにいたかわかってる?」 「昨日?」  わー、うそ! 「ねえ、私は誰?」 「杉本千晶ちゃん」 「あんたの名前は?」 「大上晃」 「仕事は?」 「カメラマン」 「私の働いてるところは?」 「杉さん処」 「あってるか、昨日のこと覚えてないの?」  ちょっと待ってとここ抑えててと頭の上に乗せたガーゼを抑えた、彼女はカバンの中を物色。 「これ、覚えてる?」  カメラを見せられた。操作できる?と言われ渡されたカメラのスイッチを押した。中の写真を二人でのぞいた。 「あ、みんないる、なんで?」 「嘘、ねえ、私と結婚したの覚えてる?」 「結婚・・・?えー結婚!いつ!俺が?君と!」  指輪、これわかるという。俺の指にもお揃いの指輪。 「どうしよ」 「ねえ、いつ?これ、本当に?ここに一緒に住んでるの?」  矢継ぎ早に聞く俺の肩に手を当てた。 「落ち着いて、深呼吸しよ、横になって寝て、はい、はいてー、吸ってー、もう一回はいてー」 「なあ、俺、おかしい?」 「おかしい、病院行こう」 「うん」  社長を呼んで、車に乗り込むまで、横になり、ゆっくり思い出せと言われたんだ。でも、んー?  わからないことがカメラの中にいっぱい詰め込まれていた。
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