0人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
「まじで?」
電話の向こうで紫乃ちゃんが笑っている。
「なんで笑うのよー」
「だって、あまりにもテンプレすぎて、そんなん笑うでしょ」
「他人事だと思って」
「他人事だからね」
何かスイッチを入れる音が聞こえた。その後聞こえて来る換気扇の音。きっと、電話の向こうで煙草を吸っているに違いない。
「まじでどうしよう」
「いいんじゃん?涼も浮気してるんだし」
「えー」
確かに私の彼氏は浮気者だけど。
「まあ涼のは浮気ってより病気だけど。一度や二度じゃないし。あんたもあと二三度やっちゃいなよ」
「ふざけないでよ紫乃ちゃん」
「あはは。でもまじで。あたしは悪くないと思うけどな」
「悪いよー。極悪だよ」
ていうか、相手が隣人とかーーまじで笑えない。
最初のコメントを投稿しよう!