1.よくあるはなし

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鏡の前に立って、妙に肌艶の良い自分の顔を見つめる。 「わお」 お肌が異常にツルツルなんだけど、これはやっぱり昨夜(ゆうべ)のあれがよかったから? ハリのある肌を指先で突きながら昨夜のことを思い出す。 『俺のせいにしていいよ』 なんか、その様な事を言われた気がする。 その時の隣人結城はまだ服を着ていて、たぶん私も服を着てた。 だけど体は既に熱かった。 頭から唇、指先まで全部。あと体の中心部。 あの時の湿った瞳が脳裏に浮かぶ。 「ーー」 あの後ーー 【ピンポーン】 「誰だろ」 突然鳴らされたインターホンの音に部屋着にパーカーを羽織って玄関に向かう。 最近、宅配便とか頼んだ覚えもないのにな。 そうっと覗き穴を見る。 「ーーえ」 「あけて」 「ーー」 隣人の結城である。
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