0人が本棚に入れています
本棚に追加
「いや、笑ってる場合か」
怖いから、自分で自分につっこまないで欲しい。
しかも、真顔で。
美形の真顔ってまじで怖いから。
「湯川さん、どうすんの?」
「どうすんのって」
「別れるの別れないの」
「そんなこと聞いてどうするんですか」
「いや、その答え次第で俺の出方も変わってくるから」
「で、でかた?」
なんだそれは。
「そ。湯川さんが、浮気彼氏と別れるなら、俺も他の女切る」
そ、それはなぜだ?
「湯川さんと付き合う」
は、はあ?
「いや、間抜けな顔されても」
「まじでおこりますよ」
「ごめん冗談」
いや、どこからどこまでが?
「でも、本気だよ」
「え、なにが?」
「さっき言ったこと」
余裕そうな顔で伺うように私を見ている隣人の結城。
口元には勝利の笑みが浮かんでいる。
「湯川さん次第」
いやそんな。
よくあるはなしにも程がありますよって。
最初のコメントを投稿しよう!