01.Side:レイヴン 名もなき鴉《からす》

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01.Side:レイヴン 名もなき鴉《からす》

生まれたての風の中。 抜けるような青い空。 切り裂き進む僕の翼。 眼下に見える黒い頭。 澄み切った空気が頬を掠める。 秋の終わりを告げる白い息。 冬の足音が聞こえそうな寒い朝も悪くない。 ビューティフル・ウェザーが果てしなく広がり、下界の様子がよく見えるから。 僕は名もなき(からす)。 熊野神社を(ねぐら)にする、一羽の鴉だ。 僕の日課は空からの人間観察。 今、気になっているのは、今日みたいな青空を嫌悪する少年と少女だ。 君も気になるだろ? 2fc9f141-04b0-47b3-aaae-f2a3247946ba
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