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1. 中森充というクラスメイト
「満!」
校門の近くを歩いていると後ろからわたしの名前を呼ぶ声に振り返り、その顔を見るとわたしは笑顔になった。
「千佳ちゃん!」
千佳ちゃんも顔をくしゃくしゅにした笑いを見せた。
「夏休み、どうだった?」
「いつもの夏休みって感じ。おばあちゃんの家に行ったり、近所のお祭り行ったり、あと、映画館にいったぐらい」
わたしはため息をついた。
「小学校最後の夏休みを当たり前に過ごしてしまって少し後悔してる……」
そう言うと、千佳ちゃんはけらけら笑った。
「それって充実の間違いじゃない?」
「……うん、そうだね」
わたしは無理やり口角を上げて笑った。
――そう、もう六年生の二学期。卒業まであと半年。
ありのままに子どもを満喫していたのも終わりが近づいてきている、カウントダウンが始まったように思えていた。
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