終わりの始まり

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そうして幸せな時間を堪能しているとき、何者かが草を踏む音が聞こえた。 反射的に振り返ると、そこには見覚えのある二人の姿が。 「……ミノ、これはどういうことだ?」 「あ、はは……」 少々お怒りのご様子で。 「何だこれ、うまいな!!」 「でしょう?」 リンゲルはお腹が空いていたのかバクバクと鍋の具材を食べていく。 隣ではヒナくんもスープを啜っていた。 「あー、それにしても二人がこんなにボロボロでやって来るとは思わなくて……」 気まずくて目線を逸らすが、ヒナくんはジトッとした目でこちらを見ていた。 「俺はてっきりミノが監禁でもされてるのかと思ったのに」 「いや、合ってるんだけどね!」 「その割には楽しそうに鍋を囲んでたけどな」 「こ、これには事情が……!!」 というかリンゲル、やっぱりちゃんと説明してないんじゃーん!! いたたまれない気持ちになり、私はフッと俯く。 「あんたも何で始めに事情を説明してくれなかったんだ」 ヒナくんが問いかけるとリンゲルは答えた。 「本気でやらないと意味無いだろ?」 「そうは言っても、下手したら殺されるかもしれないんだぞ」 「いや、ミノの身元が分かるまでは出来ないと思ってな」 図星だったのか、ヒナくんがムッとした顔になる。 あ、不謹慎にもその反応が嬉しかったのは隠します。
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