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私が最悪のシナリオに震えているその時だった。
バリバリバリィイイイイイィイイイ!!!!!!
「っあ!?」
突如耳を切り裂くような、激しい電気のような音が辺り一面に響く。
ええええ!?私、魔法使ってないんだけど!?
辺りをキョロキョロ見渡すと、ちょうど森林が残っているところに大きな光が見えた。
もしかして……
それは本当に直感で、私は急いでその光へ向かって走る。
ーーもう満身創痍になりながらたどり着いた場所には、私と色違いで紫色のロングコートを着た一人の青年がいた。
栗色の髪は襟足が少しだけ伸びていて、年齢は私とさほど変わらないように見える。
スッと切れ長な目を見開いて固まっており、こちらに気付く様子は無い。
「今のは……」
彼は不思議そうに自分自身の手を見ているようだった。
間違いない、さっきの光は彼が起こしたんだ。
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