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何気なく、左手を横へ払った。
すると生徒たちの何人かが血を流して倒れる。
それまで恐怖に震えていたはずなのに、一瞬にして物言わぬ物体へと変わってしまった。
「ひぃいいいいッ!」
中山以外の生徒たちが、教室の後部出口へ殺到する。
だが、どれほど力を入れても戸が開かない。
「おい早く開けろ!」
「なにやってんだよ!」
「開かないんだ! 一体どうなってんだこれえ!?」
「代われ、おれがやる!」
男子生徒たちが代わるがわる開けようとするも、戸が動くことはない。
その間も、教師が手を振るう度に生徒が倒れていく。
「ぎゃっ!」
「うぼぇっ!」
「ぐおぁあっ!」
ある者は斬られ、
ある者は体の一部をつぶされ、
またある者は体に穴を空けられた。
教師は教壇から下りてさえいないというのに、手を振るうだけで死体が増えていく。
「犠牲になるのは、いつだって弱い者たちなんだよ」
「て、てめえが言うな…!」
中山は教師に反論する。しかし声の震えはどうにもならない。ひざの震えはさらにひどく、少しでも気を抜けば椅子に座り込んでしまいそうだった。
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