殺し屋・安藤カスミが追跡者になった理由

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 安藤カスミは九歳のとき、 大好きだった父と母を殺された。  父は刑事だった。  公安という、スパイ活動を行う部署にいた。  当時、父の任務はチャイニーズマフィアへの 潜入捜査だった。  ところが、父の同僚がチャイニーズマフィアの ハニートラップに引っ掛かった。  父の潜入捜査を、洩らしてしまった。  そして父は、チャイニーズマフィアに 命を奪われた。  報復と見せしめのため、母もまた チャイニーズマフィアによって、 無惨な死をあたえられた。  九歳のカスミは、復讐を誓った。  すると、目の前に「赤月」の人間が立っていた。  「赤月」――世界中で悪党を始末し、 諜報・破壊活動・暗殺を行う組織。  そんな「赤月」のリクルートは独特だ。  復讐を誓った者の前に現れ、超一流の殺し屋に育てる。  カスミも例外ではなかった。  世間の子どもが義務教育を修了する頃、 カスミは超一流の殺し屋になった。
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