ブラックコーヒーなんて飲めやしない

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「つまりあんたは、付き合ってもいない男の子のお祖母ちゃんの家の年末の大掃除に駆り出されているわけだ。それももう何年も」 何年も、が強調されたおかげで、付き合ってもいない男の子がぼやけたなと思った。 だから何だって話で、事実は何も変わらないし、自分が望んだ方向には何一つ行きそうもないんだけど。 「まあ、そうなるのかな」 「そうなるのかな、じゃないわよ。信じられない。いつから?」 「小五から」 「うわー。引くわ。もう七年?凄くない?」 「そうかな?」 「褒めてないからね」 「でも、もう習慣っていうか、毎年のことだし」 「幼馴染の距離ってそういうもんなの?私いないからわかんないけど」 「まあ、言われてみたらおかしいのかな?って思うくらいかな。しいちゃんに言われるまで考えたこともなかったけど」 「他人の家の掃除なんかする?普通」 「どうだろうね」 「嫌、寧ろ頼む?他人に?」 「さあ」 「しかし、小五って、何でそんなことになったの?」 「毎年さ、なっちゃん、お祖母ちゃんのお家のお掃除お姉ちゃんと二人で行ってたんだよね。でもその年からお姉ちゃん、あ、美冬ちゃんって言うんだけど」 「知らんわ。つーか、水原君のお姉ちゃんの名前なんてどうでもいいわ」 「ああ、ごめん。でね、美冬ちゃんがその年から大学生になってね、東京に行っちゃって、大晦日そっち雪降るみたいだから帰省しないわって言ってきたの。でね、なっちゃんが、胡桃、掃除手伝ってくんないって?」 「可愛い顔でお願いしてきたわけか」 「そう、そうなの。あの顔でね、さらにその頃はまだ幼さも残っててね、私とそんなに身長変わらなかったの。あの顔でお願いされるともう駄目なの。何でもしてあげたくなっちゃうの」 「あー、チョロ、チョロイ。そんなんでいいの?」 「いいよ。私はなっちゃんと一緒にいられたらそれで」 「お祖母ちゃんちってどこ?」 「京都」 「じゃあすぐそこか。年末だけ?」 「うーん、お掃除は年末だけだけど、春休みと夏休みとゴールデンウィークにも行くかな」 「もうそれ嫁じゃん。かなり変則的な嫁じゃん」 「そうかな?」 「お祖母ちゃんちで何するのよ?」 「お祖母ちゃんに顔見せて、その後二人でお昼ご飯食べて、甘いもの食べて、まあぶらぶらと」 「デートじゃん?」 「デートではないかな」 「じゃあ何、付き合ってもいないくせに、あんた達二人は、せっかく部活なしの休日を共に過ごし、剰え毎日並んで登下校してるってこと?」 「剰えの使い方それでいいんだっけ?」 「細かいことはいいの。だってさ、もう互いの両親どころか、互いの祖父母まで顔合わせ済みってことでしょ?」 「まあ、そうなるのかな」 「でも付き合ってないんだ?」 「付き合ってないね」 「好きなんでしょ?水原君のこと。つーか、好きに決まってるし」 「好きだね」 「水原君もそうなんじゃないの?普通好きじゃなかったら、一緒に帰らないし、休みの日も一緒に過ごさないよ」 「そうだよね?」 私は思わず身を乗り出す、程の距離もなく、心だけ前に出る。 そう、それ、誰かに言ってほしかった、それ。 「だって、幼馴染ってことは、もうお互い何もかも知り尽くしてるわけじゃない?一緒にお風呂ももちろんあるでしょ?」 「それがないんだよね」 「ないの?」 「家隣だから泊まる必要ないし」 「朝起こしに行った時に着替えを覗いちゃうドキドキイベントは」 「朝は玄関の前で待ってるから」 「土砂降りの雨の中帰ると、鍵を失くし家に入れない幼馴染が、しょうがないな、家来るか?着替えは此処に置いておくぞ、なっちゃんのシャツ大きいな、やっぱり男の子なんだなっていう、ちょっと段階踏んだイベントは?」 「ないよ。鍵失くさないし」 「じゃあ逆に何があったの?この十七年間」 「何も」 「何も?」 「何も」 「でもさ、水原君は明らかに胡桃が好きだと思うよ」 「でしょ?」 「自覚あるんだ?」 「まあ、世界中の女の子で一番好かれている自信はある」 「凄い自信じゃないの、それ。もう彼女のそれっていうか、正妻のそれじゃん」 そう、好かれている自信はある。 なっちゃんは別に女の子が苦手わけじゃなく、話しかけられたら誰とでもきちんと話すけど、積極的には誰にも話しかけたりしない。 顔面が整っていて、背も高いため、中学の終わりぐらいから急激にモテ始めた。 顔の良さに胡坐をかくわけじゃなく、表情も意外と豊かで、見た目は如何にも無口クールキャラなのに、意外と饒舌で、よく食べる。 本当によく食べる。 甘いものなら、例えニッキ飴でもお花を飛ばし、毎年ミスタードーナツ福袋を買い、ブラックコーヒーなんて飲めやしない、そんな水原夏希君は私の幼馴染で、目下私をその曖昧な距離で悩ませ続ける、世界一大好きな男の子で、わかるようでわからない、世界一の謎だったりする。 私達は今年も十二月三十日はなっちゃんのお祖母ちゃんのお家に行き、二人で広すぎる一軒家の大掃除をし、お祖母ちゃんからお年玉をもらい、電車に乗り、並んで帰る。 いつも通りの年末。 それを変えたいとも思わないけど、時間は容赦なく私達を責め立てる。 「水原君のことはさ、私もよくわかんないけど、例えばさ、水原君に彼女ができたとしたら、あんたって彼女からしたらとてつもなく嫌な存在よね」 「そうだろうね」 「だって、なっちゃん、胡桃、の仲なわけじゃない?私が彼女だったら絶対に嫌。水原君と佐藤さん呼び方に変えてっていうし、一緒に帰るのも止めて欲しい」 「そうだよね」 「逆もまたしかりでしょ。あんたに彼氏ができたとしたら絶対あんたの彼氏は水原君の存在やだと思うよ。イケメンだし」 「できないからいいよ」 「でもさ、このまま一生お互い好きって言わなかったら、このままなわけじゃない?それともあれかな、あんたら交際期間一日もなく結婚するタイプ?」 「そんなわけないじゃない」 「でも意外と何にもしてないんだもんね。子供の頃手繋いだくらい?ほっぺにチュウくらいしてる?」 「してないよ。ここ日本」 「そだね。じゃあもうこの二人残されたすること同衾だけじゃない、って状態じゃないわけだ」 「しいちゃん、アウト―」 お昼真っただ中の子供からお年寄りまで楽しめるフードコートでそれはアウトだ。 「どこがよ、めちゃくちゃオブラートに包んだでしょ。寧ろ文学的に言ったでしょ。胡桃は水原君と付き合いたいんでしょ?彼氏彼女になりたいんでしょ?」 「まあ、そうなるのかな」 「何それ?」 「彼氏と彼女じゃなくても一緒には今いられてるからいいかなって、一緒にいられなくなる方が辛いし」 「振られると思う?」 「思わない」 「そんだけ自信あるのに、何なの?どういう心の機微なの?」 「だってぇ」 「だってぇじゃないわよ。私に幼馴染初恋成就ルート見せてよ。リアルでそれ凄くない?サンデーじゃん」 「ジャンプではないね」 しいちゃんと別れ、帰途につくと、焦がれてやまない背中を見つける。 左手には花柄のピンクのエコバック、白いネギがひょっこりと顔を見せている。 私はいつも通りその背に念を送る、大好き、と。 彼はそれを受け取ったのか、はたまたその背に吸収し、消化したのか、徐に私の方へその素敵フェイスを見せつける。 私の好きの念を受けたからか、昨日より更にかっこよくなっている。 夕陽をバックにやめてほしい。 今日しいちゃんと見た映画全部吹っ飛んじゃったよ。 「お帰り」 「ただいま」 彼が待っているので私は小走りに駆け出す。 私が隣に来ると彼はスタスタと歩き出すけど、その歩調はうぬぼれかもしれないけれど、何処までも優しく、甘やかに私は感じる。 「映画面白かった?」 「あー、うん。作画最高だったんじゃない。こうね、お花がね、最後ブワって来るところなんか、何回でも見たいなって思ったよ。結局お昼食べてもう一回見たの。ごめん語彙力足りないから」 「昼何食ったの?」 「マクドナルドでグラコロ食べた」 「いいな、年末祖母ちゃんとこ行った時俺もグラコロ食べよう。今年最後のマクドはグラコロ」 なっちゃんは年末になると今年最後のって必ず言う。 今年最初は言わなけど。 「でもケンタッキーも食いたい。チキンだけ買う。今年最後のケンタッキー」 「私もチキン食べたい。今年あんまりケンタッキー行かなかったし」 「ビスケットとホットパイも食いたい。ドーナツは年明けどうせ食うし。後なに食いたいだろ」 「おせちも楽しみだね」 「餅めちゃめちゃ食いたい。百個食う」 「冬はいいね」 「冬いいな。もう毎日鍋でいい俺」 「今日はなんのお鍋?」 「ごま豆乳」 「しめはうどん?」 「稲庭うどん。細くて美味い」 私達は食べ物の話ばかりしている。 でもいい、なっちゃんが未来の食べたいものを話す女の子はたぶん私だけだ。 美冬ちゃんより、なっちゃんの妹の灯ちゃんより、なっちゃんを産んでくれたお母さんより近いと思えてしまう自分がどうしてもいる。 でもこの距離を飛び越えてしまいたいのも事実で、もどかしく、私は恋をしている。 恋をしきっている。 大掃除の朝私達はいつも通り電車に揺られ、京都駅から少し歩き、見慣れた一人で住むには広すぎる一軒家にたどり着く。 毎年のことだけど、なっちゃんのお祖母ちゃんは、じゃあ、お願いねとなっちゃんにこれお昼代と言ってお金を渡し、近所に住む妹夫婦の家で掃除が終わるのを待つ。 私達は腕まくりをし、取りあえず窓ふきから始める。 高い所はなっちゃん、低い所は私。 「ほとんど料理しないはずなのに何で汚れるんだろ?」 台所の換気扇に取り掛かるとなっちゃんは毎年そう言う。 「一年もほっといたら何もしなくても汚れるんじゃない?」 「そっか」 このやり取りは去年もした。 そして決まってこういうのだ。 揚げ物食いてえ、と。 コロッケ買おう、と同意を求めない大きな独り言を言う。 ラストコロッケ。 去年は確かなっちゃんはそう呟いたのだ。 「料理する家はこんなもんじゃないもんな。もっと油でドロドロ。料理すればするほど台所は汚れるし、弱ってくるんだよな、何でも」 「まあ、使ったらそうなるね。でも使うために台所はあるわけで」 「うん」 揚げ物は食べたくないの? 「家でコロッケ揚げるのって大変だよな」 今年はそっち? どういう心境の変化? 「コロッケだけじゃなくってさ、何作ってもそうだよな、何か家で作ったら後片付けもしなきゃなんないし、主婦って偉いな」 「そうだね」 「うん」 美冬ちゃんが結婚して、姪っ子ちゃんが生まれたからだろうか。 なっちゃんの声音にはしみじみとした趣と、妙にくたびれた実感があった。 私達は午前中予定していた掃除を終え、お昼の買い出しに出かけ、ケンタッキーでオリジナルチキンとビスケットを買い、マクドナルドでグラコロとポテトとホットアップルパイを買って帰った。 隣には期待に胸を膨らませる十七歳の可愛い男の子がいて、私は心拍数が大分上がった。 ほんのちょっとのこと、ただそれだけでこんなにも胸がときめいて、やるせなくさせる。 なっちゃんは私にとってそんな子だ。 それも子供のころからずっとそうなのだ。 今更これをどうして捨てきれようか。 私はきっと一生なっちゃんとこの関係のままでも、なっちゃんが他の女性の手を取ろうともなっちゃんが大好きなのだ。 年末の大掃除は私に取って今年のなっちゃんとの距離の総決算だ。 私は毎年愛する彼のお祖母ちゃんの家で、大好きな彼への気持ちを持ち越し、更新するのだ。 毎年ずっと。 今年、姉ちゃん東京から帰ってこないから、祖母ちゃんちの掃除、胡桃手伝ってくんない? 思えばあれが決定打だったのではなかろうか。 そういえばあの時なっちゃんは少し恥ずかしそうに付け足したのだ。 チョコやるから。 断られると思っていたのだろうか。 私がなっちゃんの誘いを断るはずなんてないのに。 あのチョコはどうしたんだろう。 まだあの時は無自覚だった。 子共だったし、さっさと食べちゃったんだろうな。 今なら包装紙残しとくのに。 炬燵で向かい合いお昼にする。 夏休みも春休みもお正月も家族旅行でもない限り私がなっちゃんを見ない日なんてない。 私達は幼稚園から高校までずっと一緒だった。 クラスは違うけど、部活は同じバレー部だし、思えば私達に距離なんかない。 だから縮めるものが最初から存在しないことになる。 近すぎる距離、距離のない距離。 「お茶暖かいね」 なっちゃんの淹れてくれるお茶は暖かい。 なっちゃんは夏以外は暖かいお茶を飲みたがる。 この四葉のクローバーの湯飲みは私のだ。 彼氏でもない男の子のお祖母ちゃんのお家に専用の湯飲みがあるってどういうこと? 「美味い。チキン美味すぎるケンタッキー天才」 なっちゃんはいつの間にこんなにかっこよくなったんだろう。 口を開けば食べ物の話しかしないくせに。 いつの間にこんなに背が伸びたんだろう。 毎日一緒にいたはずなのに、離れているのなんか、多分なっちゃんが寝ている八時間くらいだけのはずなのに。 二階の掃除を終え、なっちゃんがお茶を淹れてくれたので私達は縁側に並んで腰を掛けた。 十二月とは思えない程今日は心なしかぽかぽかしているように思う。 「お疲れさま」 「ううん。いいお天気で良かったね」 「ああ」 なっちゃんはお祖母ちゃんが用意しておいてくれたお菓子の籠からどら焼きを選び齧り付く。 本当に気持ちのいい食べっぷり。 いっぱい食べるなっちゃんが好き。 これくらい簡単に言えたらいいのに。 「胡桃」 「うん」 「食わねぇの?」 「お昼いっぱい食べたからね。ちょっともういいや」 「最中もあるぞ。求肥入り」 「うーん」 「レーズンサンドも、フロランタンもある」 「なっちゃんの好きなものばっかりだね」 「俺に嫌いな食べ物なんかない」 「じゃあレーズンサンドちょうだい」 「あー、コーヒー飲みてぇ。ブラックじゃねえの」 ブラックじゃねえのって、そもそも甘いコーヒーしかなっちゃん飲めないじゃない。 私はそれを知っているんだ。 なっちゃんのお祖母ちゃんのお家にコーヒーがないことも、やたらとレトルトカレーと鯖缶とカップ焼きそばが常備されてて、でもお祖母ちゃん食べなくて、それを今日なっちゃんが持って帰ることも知ってるんだ。 ずっとこうして過ごして来た。 何も起きてないと思っていたけど、時間は確実に刻まれていた。 美冬ちゃんは結婚してお母さんになったし、私のお姉ちゃんだって来年にはお母さんになって私は叔母さんだ。 なっちゃんのお父さんは再婚して、なっちゃんには年の離れた妹ができた。 この七年だけで私達の周りではいろんなことがあった。 私達だってそろそろ次の展開があるべき。 でもこのまま時間止まってもいいと思ったりもしてしまう。 美味しそうに食べるなっちゃんを見ているといつも。 「胡桃」 「うん?」 「来年も来てくれる、か?」 このやり取りは去年もした。 一昨年も、初めて二人で電車に乗ってお掃除に来たあの日も。 決して私の方を見ないで、お菓子に夢中ですって顔をしながら、なっちゃんはそう言ったんだ。 「うん」 「来年も、再来年も、五年後も、十年後も、ずっと」 それって、どういう意味? そんな意地悪な質問私はしない。 なっちゃんの言う意味が解るから。 なっちゃんの精一杯がわかるから。 ガサゴソと最中の包み紙を開けるのが最優先って顔をして見せる男の子の本当が痛いくらいわかるから。 私は無言で彼の背に抱き着いた。 いつの間にか広くなっていた背中。 もう躊躇うことはない。 最初からなかった距離を飛び越える。 そうか、彼は最初から私に言っていたのだ。 来年も、と。 何だ、彼はもうずっと言っていてくれたんだ。 後は私だけだったんだね。 じゃあ言うね。 「なっちゃん。私、なっちゃんが、ずっと好き」 「知ってる」 でしょうね。 知ってるに決まってたね。 「俺も」 「知ってる」 毎年一年の終わりに彼のお祖母ちゃんのお家のお掃除に来る。 そして去年より、一昨年より大きくなった恋心を確認し、新たなる年を迎える。 でも、もう今年は再確認は必要ない。 もう届けた。 もう貰った。 今年は終わる。 年が明ける。 「胡桃、ずっとって言うけど俺のが先だと思う」 「え?」 「小三の時、うち親離婚しただろ、その時母親か父親かどっちについていくかって時、姉ちゃんが引っ越したくないからこっち残るって言ったんだけど、俺あの時胡桃と離れたくないからこっち残ろうって思ったもん。俺のが絶対先」 何故か彼はお祖母ちゃんの家からの帰り道、電車を待つ駅のホームでこんな爆弾を落とし勝ち誇ってきた。 なっちゃん、私が言ったずっとが気になっていたんだ。 本当に、もう。 またこの子はそうやって私を夢中にするんだ。 なっちゃんは本当にそういうとこあるんだ。 私は一生離れられそうもない。 離れないし、離れなくてもういいんだけど。 なっちゃんは甘ったるいカフェオレを飲み干すと缶を捨て空いている私の左手を取る。 まるでそうするのが当たり前みたいに、最初からずっとそうだったみたいに。 「さみい。さっさと春が来るといいな」 「うん」 私達は互いの手袋が邪魔だった。 春が待ち遠しい。 早く貴方の本当の体温が知りたい。 そうだね、貴方の方が先だよ。 でも自覚してなかっただけで、初めからそうだったのなら私の方が先だよ。 ずっと、ずっと、ずっとね。 私はなっちゃんの買ってくれた微糖コーヒーを飲み干す。 私はブラックコーヒーだって飲めるけど、なっちゃんはそれを知っているけど、なっちゃんはいつだってお砂糖の入っているコーヒーを買ってくれるんだ。 私の大好きななっちゃんはそういう男の子なんだ。
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