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そもそも誰も、彼のブログを続けて読もうとは思わない。タイトルなんかもともと意味がないのだ。通販サイトの長ったらしい利用規約くらい、読者の目をすり抜け、無為な情報として消えていく、それが彼のブログなのだ。
そんなものを褒めるのは恥ずかしいと、どんな人間も思うはずだ。高橋自身もそう思う。
しかし高橋にとってはそんなことはどうでもいいのだ。誰かの心に残る文章を書きたいなんて思っていない。
なんなら訪問だけして中身を読まないくらいが丁度いい。
広告にさえクリックしてくれればいいし、一つブラウザ・バックするだけで再度閲覧できる自分のブログのことも、忘れてくれたらいいと思っている。最新式美顔ローラーや、話題のゲームアプリに夢中になってくれればいい。
「せっかくパソコンがあるから」と、何の気なしに始めたブログ。「アフィリエイト」なんて、横文字を使って必死に新進気鋭なシステムを気取っているが、その正体のなんと安っぽいものか。安っぽいものは安っぽく利用するのが一番で、過剰な入り込みは厳禁である。
せいぜい蚤でよかった。
四畳半のオンボロアパートで、ドバドバ辣油をかけたインスタント麺をすすっていれば幸せだった。ふと思い立った時に、そこに食パンを浸して嵩増しをすれば贅沢した気分になれた。
これでいいんだ。これでいいんだ。絶対そうだ。
ここに間違いはない。
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