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第36話 再開(再会)
短い眠りから覚め、木材集めに戻った少女は、いつの間にか、1つ増えた運搬用空中船に驚く。
運搬船の中には、横並びに揃った大量の木材。
――ガサガサ……。
どこからか、人の気配がした。種族は彼女と同じエルフ。
「ルグア先輩おはよう。努さんと彰さんから聞きました」
耳をすまし聴こえたのは、私の兄の声。わざわざ、ログアウト不可というゲームにインするとは。
この場合、どう対応すればいいのだろうか………。PNで呼んでるからゲーム内?
いや、2人だけだからリアル? 混乱状態になりかけたその時。
「私もいますよ。ルグアさんお久しぶり、いえ、7日ぶりですね」
ガイアも大量の木材を抱えて顔を出す。なぜ、入ってきたのか気になるが、仕事が先。
でも、重い運搬船を運べるのは私だけ。理由は、現実と重さの基準が違うかもしれないからだ。
ルグアはもうひとつ錬成し、魔剣で木を切る。一瞬で溢れかえる運搬船。そこで、
「ルクス、ガイア。収集は2人に任せる。今貯まってるやつは、持っていってもいいよな?」
確認すると、兄と友人は頷いて、すでに入っている船に追加。
満杯になったので持ち上げると、一直線で村に戻った。
村の入り口に置くと、大工がどんどん消費して、あっという間に空っぽに。
再び、九州に行き中身がある運搬船を村へ、何も入ってない運搬船を九州へ。
これを約500万回繰り返した。私は休憩したことで疲れ知らず。けれども、ガイアとルクスはヘトヘトで、後半は私1人で作業。
男性が休んで少女が働く。違和感を感じる出来事、そのゲーム生活の長さがよくわかった。
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