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「本当に大丈夫?」
「大丈夫さ?こ、この池に接点Aボタンを置いてある。
そ、そして俺が住んでる村の池に接点Bボタンが置いて有るんだ。
え、Aボタンを押せば、直ぐに俺の住む村に、しゅ、瞬間移動する事が出来る。」
「お、押してみるか?健太君」
「うん!」
「やめようよ!健太」
健太は、迷いなく接点Bボタンを押した。
しかし、何も変わった感じがしなかった。
海中船のドアを開けると先程とは全く違う風景だ。
まるで、今までに見た事の無い世界が……。
そこは絵本から飛び出して来た、一五年後の別世界だった。
周りは、おとぎの国、中世の建造物の街並みが広がっていた。
池の周りでは、数名の人達が楽しそうに話している。
「おっ、タケル、お帰り!お客さんかい?」
「蓮さん、す、すまない……勝手に二人を連れて来て……」
「大丈夫さ!しかし、タケルがお客さんを連れて来るとは、珍しいな!タケルにも知り合いが居たんだ……でも、小学生じゃないのか?背は高いが……」
「じ、実は、右の子が幼少期の俺なんだよ。 さ、最初はビックリして……」
「何て事だ……そう言えば、よく似てるな!震えて、怯えてる所とか……タケルが初めてこの村に来た時とそっくりだ。
この村を案内してやれよ。
でも、誰にも言うんじゃないぞ!」
「わ、分かってるさ!」
えっ……どう言う事⁇⁇
僕は、全く今の現状に理解出来なく、ましてや、あのお兄さんが未来の自分って事も分からないままだった。
「こ、ここが俺の住むアパートだ。
ハーブティーでも入れるよ。そ、ソファーに座ってゆっくりしてていいよ。」
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