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「あぁ、そうだ……一四歳の時に、お、俺は家庭内暴力を繰り返し、お、親からも見捨てられた。
お、親って言っても、母親は、ち、父のバクチに耐え切れず、母は俺を残して家を飛び出して、そ、それから俺は荒れる生活が始まったんだよ。」
「僕のお父さんとお母さんは、仲が良いよ!」
「か、仮面夫婦だったんだよ。お、おそらく今のタケルの時くらいから、お、父さんは会社のお金に手を出したのさ。
お、俺は家庭が崩れて行くように、お、俺も崩れ出した……
そ、そして、と、父さんも女を作り、お、俺を残して逃げたのさ……」
僕は、震えながら叫んだ。
「いやだよ。何で、そんな話を俺のいる前でするんだよ!」
「す、すまなかった……そ、それ以来、俺は、ど、どもるようにな、なったんだ…。」
「お兄さん、あのタイムマシーンを使って過去を変える事が出来ないの?」
「笑える!タケルが未来のタケルさんにお兄さんって言ってる!」
「笑い事じゃないよ。
健太!
僕の家族はこれから崩壊するんだよ。
そして、僕……。こんな、大人になっちゃう……」
「こ、こんな大人で悪かったな……
しかし、タ、タイムマシーンを使って過去を変える……?お、俺、今の生活に満足してるんだけどなぁ……」
「だって、僕のお母さんとは何十年も会ってないんでしょ!」
「あぁ…は、母親とは十五年、ち、父親とは、ここに来てから、あ、会って無いから十一年は会ってないなぁ……」
「寂しくないの?」
「さ、寂しくないさ!お、俺を見捨てた親だぞ!」
「お母さんのオムレツ食べれないんだよ……
お父さんとキャッチボール出来ないんだよ!」
「は、母親のオムレツかぁ……な、懐かしいなぁ……
今、思えば、お前の時ぐらいが、い、一番良かったよ。
ち、父親は臆病な俺にいろいろな経験をさせようとしてくれた。」
「今の、お父さんとお母さんは凄く優しいよ。
でも、いろいろな経験させる親は、あまり好きじゃないなぁ…僕は臆病だし……」
「タケルらしいね!」
「……。」
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