自立村

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 「お、俺は、いろいろな経験をさせる親を全て怖がって逃げていたけどな……」  「でも今回は違う!変えてみようよ。自分の将来が掛かってるんだもの!」 「ちょっとお二人さん。  タケルの親の問題を解決しに行くって事?  それは、タケルの父親の会社のお金に手を出す前に戻るって事?面白そう!」 「楽しむ事じゃないよ。健太。」 「や、やってみるか……」  三人は計画を練った。 「い、今は二〇三五年だから、お前達の居る、二〇二〇年に取り敢えず、行って、そ、そこで父親の行動を、お、追ってみよう」 「僕達は、普通に元の世界に戻るだけじゃないの?」 「そ、そうだな……でも、ち、父親は成長した俺の事なんて分かっていない。  だ、だから、び、尾行をしても気付かれないのさ!」 「僕の父さんを尾行?  僕の父さんは、やましい事なんてしてないよ。」 「タケル、現にやましい事をしてるから、一七年後のタケルはこんな人になってるんだろ。」 「け、健太君、こんな人で悪かったな……」 「じゃ、急いで前の世界に戻ろうよ。  父さんや母さんも心配してるから……」 「い、いくら心配してても、何年か先は、お、俺の事なんて誰も、し、心配なんてしてないよ。」 「それを変えに行くんじゃないか!」 「そうだね、健太君ありがとう。」  僕達は現在に戻り、未来のタケルは父親を追った。  そこで見た父親の姿は、何も変わらず優しい父親の姿だった。  父さんを尾行しても、会社と家の往復だけだ。  父親の会社を覗いてみたが、皆んな父親を慕っていた。 「何処でタケルの父さんが変貌するの?」 「分からない」   「今度のGⅠダービー大荒れが予想されるぞ!」 「良いね!今回は大穴狙いと行くか!」 会社の仲間達は競馬の話題で盛り上がっていた。
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