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シェンバーは、イルマの上顎の柔らかい部分から、綺麗に揃った歯の裏側に舌を這わせる。
追いかけてくるイルマの舌を絡め取れば、互いの唾液が口の中に溢れた。
堪らずイルマの体を抱き込んで、舌を強く吸い上げる。
「んっ、ん、んっ⋯⋯」
互いの口の端から唾液が糸のようにこぼれていく。
「シェ、シェン、待っ⋯⋯」
イルマは、両手でシェンバーの胸を押した。二人の唇と体がわずかに離れる。
ほんの少し離れただけで、こんなにも切ない。
はぁ、と息をつくその仕草すら愛しいと思った。
「⋯⋯イルマ、好きだ」
もう一度抱きしめようと、シェンバーはイルマの温かさを求めて手を伸ばす。
指と指を一瞬絡めた後、イルマは立ち上がった。
「イルマ?」
さらさらと衣擦れの音がした。
ぱさりと床に物が落ちる。
嗅覚だけではなく、聴覚も以前よりは鋭敏になったシェンバーには、それが何の音かわかった。
「⋯⋯イルマ!?」
花の香りが再び近づいた。
自分の膝に、しなやかな体が乗り上げてくる。
滑らかな肢体は、何も身につけてはいなかった。
イルマは手を伸ばして、シェンバーの頭を、胸にかき抱く。
「んっ⋯⋯!」
シェンバーの口に、ちょうど小さな膨らみが当たる。
舌で突起を転がして、ちゅ、と吸い上げる。
「⋯⋯ん、あ、ああっ!!」
シェンバーは、腕の中で体を反らそうとするイルマの体をきつく掴んだ。
「逃がさない」
肌に舌を這わせながら、もう一度突起に辿り着く。
軽く噛んでは吸い上げると、イルマの体がびくびくと震える。
──頭の中が沸騰しそうだ。
左手で腰を掴んだまま、右手を下におろしていく。
ほっそりした腰から腿に触れる。滑らかで温かい体。自分の冷たい指先が余裕なく動いていく。
内腿に触れた時に、天を向いているイルマ自身を見つけた。
熱く張り詰めた花芯に触れれば、先からは、しとどに雫が零れている。
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