2.秘め事 【恋う】※

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 シェンバーは、イルマの上顎の柔らかい部分から、綺麗に揃った歯の裏側に舌を這わせる。  追いかけてくるイルマの舌を絡め取れば、互いの唾液が口の中に溢れた。  堪らずイルマの体を抱き込んで、舌を強く吸い上げる。 「んっ、ん、んっ⋯⋯」  互いの口の端から唾液が糸のようにこぼれていく。 「シェ、シェン、待っ⋯⋯」  イルマは、両手でシェンバーの胸を押した。二人の唇と体がわずかに離れる。  ほんの少し離れただけで、こんなにも切ない。  はぁ、と息をつくその仕草すら愛しいと思った。 「⋯⋯イルマ、好きだ」  もう一度抱きしめようと、シェンバーはイルマの温かさを求めて手を伸ばす。  指と指を一瞬絡めた後、イルマは立ち上がった。 「イルマ?」  さらさらと衣擦れの音がした。  ぱさりと床に物が落ちる。  嗅覚だけではなく、聴覚も以前よりは鋭敏になったシェンバーには、それが何の音かわかった。 「⋯⋯イルマ!?」  花の香りが再び近づいた。  自分の膝に、しなやかな体が乗り上げてくる。  滑らかな肢体は、何も身につけてはいなかった。  イルマは手を伸ばして、シェンバーの頭を、胸にかき抱く。 「んっ⋯⋯!」  シェンバーの口に、ちょうど小さな膨らみが当たる。  舌で突起を転がして、ちゅ、と吸い上げる。 「⋯⋯ん、あ、ああっ!!」  シェンバーは、腕の中で体を反らそうとするイルマの体をきつく掴んだ。 「逃がさない」  肌に舌を這わせながら、もう一度突起に辿り着く。  軽く噛んでは吸い上げると、イルマの体がびくびくと震える。  ──頭の中が沸騰しそうだ。  左手で腰を掴んだまま、右手を下におろしていく。  ほっそりした腰から腿に触れる。滑らかで温かい体。自分の冷たい指先が余裕なく動いていく。  内腿に触れた時に、天を向いているイルマ自身を見つけた。  熱く張り詰めた花芯に触れれば、先からは、しとどに雫が零れている。
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