2.秘め事 【恋う】※

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「や! あぁあ⋯⋯っ」 「⋯⋯イルマ、イルマ。可愛い」  硬くなったイルマの竿を摺り上げる。  先の割れ目の部分を開くように親指で押せば、イルマの体が震えた。  熱い汁がくぷりと(ほとばし)って、シェンバーの指を濡らす。 「⋯⋯あッあ! ぼく⋯⋯ぼく⋯⋯」  シェンバーの頬に、ぽろぽろと、涙の粒が落ちてきた。 「おいで」  シェンバーが腕を伸ばす。  イルマは体の力を抜いて、シェンバーの腕の中に飛び込んだ。 「ごめ、ごめん。ぼくだけ⋯⋯」  イルマの頬に口づける。  零れる涙を舐め上げて、まぶたに、額に、唇に。  例え姿が見えなくても、肌の熱さを感じることは出来る。  顔から首へと、至る所に口づけを降らせていると、イルマが言った。 「シェン、くすぐったい」 「⋯⋯全部、食べてしまいたい」  シェンバーは、イルマの耳を軽く()んだ。舌で耳孔を舐めながら、指で胸をまさぐった。  胸の突起をこねるたびに、ピクリと跳ねる。  はあ、と漏れる吐息が、堪らなく淫靡だった。 「イルマ、教えて。どうしてほしい?」  耳許で囁けば、腕の中で体を震わせながら、しがみついてくる。 「シェ、シェンと」 「私と?」 「⋯⋯りたい」  小さな小さな声が呟く。  ⋯⋯ひとつになりたい。  シェンバーは、イルマを抱きしめたまま、天井を仰いだ。  心臓が飛び出しそうだった。  自分を落ち着かせるように、ゆっくりと言葉を吐きだす。  ──イルマは、どこまでわかっているんだろうか。 「準備がいるんだ」 「え?」 「男同士の場合には⋯⋯。ちょっと、男女とは違って」 「うん、知ってる」  首にイルマの細い腕が巻き付く。  肩先にぴたりと顔を(うず)めながら、恋人は小声で言った。 「えっと、セツに聞いて。⋯⋯準備してきたから」  シェンバーは、叫ばなかった自分を心の中で()めた。
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