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「や! あぁあ⋯⋯っ」
「⋯⋯イルマ、イルマ。可愛い」
硬くなったイルマの竿を摺り上げる。
先の割れ目の部分を開くように親指で押せば、イルマの体が震えた。
熱い汁がくぷりと迸って、シェンバーの指を濡らす。
「⋯⋯あッあ! ぼく⋯⋯ぼく⋯⋯」
シェンバーの頬に、ぽろぽろと、涙の粒が落ちてきた。
「おいで」
シェンバーが腕を伸ばす。
イルマは体の力を抜いて、シェンバーの腕の中に飛び込んだ。
「ごめ、ごめん。ぼくだけ⋯⋯」
イルマの頬に口づける。
零れる涙を舐め上げて、まぶたに、額に、唇に。
例え姿が見えなくても、肌の熱さを感じることは出来る。
顔から首へと、至る所に口づけを降らせていると、イルマが言った。
「シェン、くすぐったい」
「⋯⋯全部、食べてしまいたい」
シェンバーは、イルマの耳を軽く食んだ。舌で耳孔を舐めながら、指で胸をまさぐった。
胸の突起をこねるたびに、ピクリと跳ねる。
はあ、と漏れる吐息が、堪らなく淫靡だった。
「イルマ、教えて。どうしてほしい?」
耳許で囁けば、腕の中で体を震わせながら、しがみついてくる。
「シェ、シェンと」
「私と?」
「⋯⋯りたい」
小さな小さな声が呟く。
⋯⋯ひとつになりたい。
シェンバーは、イルマを抱きしめたまま、天井を仰いだ。
心臓が飛び出しそうだった。
自分を落ち着かせるように、ゆっくりと言葉を吐きだす。
──イルマは、どこまでわかっているんだろうか。
「準備がいるんだ」
「え?」
「男同士の場合には⋯⋯。ちょっと、男女とは違って」
「うん、知ってる」
首にイルマの細い腕が巻き付く。
肩先にぴたりと顔を埋めながら、恋人は小声で言った。
「えっと、セツに聞いて。⋯⋯準備してきたから」
シェンバーは、叫ばなかった自分を心の中で褒めた。
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