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「んっ!! シェン! あっ!」
シェンバーの口が、イルマの雄を食んでいる。
──自分がしたのと全然違う。
快感に耐えて薄目を開ければ、美しい獣が視線だけを向ける。
あまりの淫靡さに体が揺れた。
逃げようとしたのを悟られて、シェンバーの手に力が入った。両足をさらに大きく開かれる。
「シェン! あ、やめて!! も⋯⋯!」
せりあがる快感に足先までがびりびりと痺れた。
思わず身をよじれば、いっそう激しく吸い上げられた。
「あああっ! や⋯⋯あ!!」
イルマは、こらえきれず熱を放った。
迸る白濁をシェンバーは飲み込む。一滴残さず、身の内におさめるように。
イルマは、ベッドに沈み込んで小さく喘ぐ。
恥ずかしさと興奮とで体の震えが止まらない。
──今。イルマは、どんな顔をしているのだろう。
イルマの内腿に口づけながら、シェンバーは自分を宥めていた。
見えない分だけ欲は募り、熱が生まれる。
イルマの滑らかな肢体に触れれば、止むことのない情欲が湧く。
昨夜も抑えようと思いながら、自分を止めることができなかった。
男だとはいえ受け入れる側の負担は大きい。
これ以上は可哀想だ⋯⋯。
「シェン⋯⋯」
イルマがシェンバーの首にゆっくりと両手を絡めてくる。
抱きしめようと体を起こして、顔を近づけた。
耳元で囁くような声がした。
「⋯⋯け、今朝は、しないの?」
シェンバーは戦った。大きく息を吸い込む。
──理性と愛情を、思い出せ。
「昨夜は自分が抑えきれなかった。イルマは初めてだったのに、すまない。続けては体がつらいだろう?」
⋯⋯もう少し、体が回復してから。
そう言わねばと思っていた。自分の方が経験もあり年上なのだから。
擦り寄ってきたイルマの唇が、シェンバーの首元に当たる。
「媚薬のせいもあったかもしれないけど。す、すごく気持ちよかったよ。それに」
──もう少し、シェンが知りたい。
鍛えられていたはずのシェンバーの理性は、あっけなく崩壊した。
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