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「えっ!?うん、って言った!?
もう今から俺の枠入っちゃう?」
『金輪際ない』
「断定より断定するじゃん…」
『あー!自信がこれっぽっちも湧いてこない!』
「こんな春ちゃんを見れてることに優越感湧くわ〜」
『皆幸せになってほしいー!』
どこに派生したのそれ、と笑われるけど、酔いが回った頭でツッコむ能力はない。
『皆頑張れ!幸せになれ!』
「こんな倉庫で世界中にエール送ってるの可愛い過ぎない?お持ち帰りしていい?」
『無理。気持ち悪い』
「なぁんで〜!?」
どうかここにいた皆が幸せになりますように。
陽の当たる場所でのびのびと生活できますように。
それだけできっと私は幸せ。
………
そう願って眠ったはずの私が目を開ければ、会いたくて、でも会いたくない人が私を見ていた。
どうしてここにいるの。
…どうしてそんなに哀しそうに見るの。
……どうしてそんなに愛おしいような目をするの。
いや、夢かな。
昨日あんな話したからかも。
夢なら触れていいかな…?と頬に手を伸ばせば、温かい肌を感じた。
ねぇ、仕事の都合やお得意様との兼ね合いで他の女の人もこうやってあなたに触れたの?
それをあなたは仕事だと割り切ったの?
やだ…。私と仕事どっちが大事なの?って聞いてるみたい。
そもそも彼女でもないし一度背を向けたというのに、私はなんて図々しくて面倒臭い女なんだ。
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