走馬灯

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走馬灯

もう頼れるものなんてない。 いや、頼っちゃいけないんだ。 何もかもを捨ててきた。 正確には逃げ出してきた。 あの街にはいられない。 だから、生活していく為には稼げる場所を探すしかない。 どんな仕事だってあるであろう夢の街、東京。 汚い仕事なんてやりたくなかったけど、生きていく為だから仕方ない。 ガソリンスタンドや警備員、パチンコやガールズバーで働いてなんとか今まで生きてきたけど、もう限界だ。 私は自由がなければ生きていけないようだ。 好きでもない男の人の相手をしたり、重労働をして身体を壊したり、、 嫌なのもつらいのももう沢山だ。 生きるのはつらいのに、死ぬのは怖い。 この最大の矛盾にどう立ち向かうかを考える気力も無い。 私はどこで生き方を間違えたんだろう…。 あぁ、、次に目を覚ます時はあの世にいられたらいいのに……。
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