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「はーい、カットぉっ!目を覚ませー、君の現実世界は今この瞬間にある!」
目の前にカンナのアップがあった。
「あ、ごめん。またぼーっとしてた」
「あんたのは、ぼーっと、ではなくてどっか違う次元に本気で移動してるからね!怖いからね!」
タバコをくわえながらカンナは一気に言って火をつけた。
「なんか一人で頭ん中でストーリー進めてしまうんよ。自然に。」
笑いながらカンナにそう言って灰皿を渡した。
そんなこんなでカンナとは18からの付き合いで、10年来の友達でもある。
私の妄想、というのか、空想交えた精神論争について、唯一無二の理解者でもあるのだった。
「今度の人はどんな人ー?また、ややこしくなってない?」
ドキッとした。
「ん。今のところ大丈夫みたい。あんまりまだよくわかってないし。」
とほほほ。(心の声)
本当のところ、まだ始まったばかりの私の恋愛は発展性があるのかないのか。
疑問の残る中、年齢的にもそろそろ落ち着いておきたいところだけど、厄介な自分が出てこなければいいのにと、ふと思うのだった。
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