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強い風のある夜だった。
占い師の女は、小さなテーブルに肘をつき道行く人を眺めていた。
毎夜、このテーブルと共に歓楽街の片隅に現れ、占いますと言うのぼりと共に真夜中近くまでこの場所を陣取っているのだ。
寄ってくる者など滅多おらず、誰もが眺めるだけ。
占い師も見られる事には慣れっことばかりに、特段の反応は見せない。
人通りを眺めているのは、彼らの人相を見ているからだった。
そして、気になった人には声をかける。
声をかける事にしているのは、かなり良くない相が出ている人だった。
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