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第一章
それからしばらく日々は流れた。舞依の頭にも、てるてる坊主のことは完全に忘れ去られていた。舞依は今日も放課後部活に汗を流していた。
午後の穏やかな日差しの中、硬式テニス部に所属していた舞依は制服から白いテニスウェアに着替えて練習に汗を流していた。
舞依はダブルスのパートナーの明里と組んで試合形式の練習に励んでいた。ベースラインに立った舞依は相手サイドに向かって、サーブを繰り出すところだった。
「ポイント ラブ・フォーティ (0-40)」
舞依はサーブを打つために、左手を伸ばしてボールを高く上げるとボールに向かってラケットを打ち込もうとした。しかしラケットはボールに当たらず、空を切って地面に落ちていた。舞依は慌てて、ボールを拾い上げ再びサーブの体勢に入った。
その後舞依はサービスゲームをあっさり落とすと、続いて相手側からのサービスゲームとなった。相手から放たれる鋭いサーブに対して、舞依はボールを打とうとラケットを振り抜こうとしたが、またしてもボールには当たらずボールはコートの外まで転がっていった。舞依は慌てて遠くに転がっていくボールを取りにいったが、パートナーの明里や対戦相手の後輩達からもしらけきった空気が漂っていた。
ゲームは舞依達の完敗に終わり、舞依と明里は対戦相手と握手をするためネット近くまで歩み寄った。
明里との握手を終えた後、舞依の前に立った後輩のすみれから思いもよらない強い言葉が発せられた。
「先輩、真面目にやってくださいよ。私達だって、真剣にやってるんですから」
すみれの一言に、舞依の表情は一瞬にして凍りついていた。長い髪を後ろでまとめているすみれは舞依よりも少し身長は低く、小柄で愛嬌のある顔立ちであったが以前から言いたいことをはっきりと言う性格だった。きりりとした目元をしたすみれは、舞依の顔をじっと威圧するように見つめていた。
「えっ・・・あ、あの・・・」
すみれのトゲのある言葉に舞依はあたふたとして何も喋れなくなっていた。舞依は目が左右に泳ぎながらようやく声を上げた。
「ごめん。一生懸命やっているつもりだったんだけど・・・」
すみれはハラリと落ちてきた前髪を払いながらさらに毒づいてきた。
「一生懸命でそれですか? まさか、そのレベルで大会に出るおつもりじゃないでしょうね? 学校の恥をさらけ出すことになりますよ」
すみれは鼻先でせせら笑いながら口をついて出ていた。すみれの態度があまりに冷たくて、舞依は思わず血の気が引いていく思いで立ち尽くしていた。
「ちょっと、すみれ言い過ぎじゃないの」
すみれのパートナーの後輩の子がたまらず止めに入ってきた。同調するように明里が、口を挟んできた。
「すみれ! 言っていいことと悪いことあるよ。いくらテニスの腕は私達よりも上だからと言って、そんな言い方はないんじゃないの? そういう礼儀知ら
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