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6・スペイン
「カラマンシー、オレンジ、うんしゅうみかん。出でよ藤村! アルコール分6%!」
「……藤村です。今飲んでる缶チューハイの原材料名を適当に読み上げたらそれっぽくなると思ったら大間違いですからね!」
「しかし久しぶりだねぇ!」
「ほんと久しぶりですよ!」
「700年ぶりだねぇ」
「……そういう一歩間違えたら大事故になりかねないネタをぶっ込んでくるの、いい加減やめてもらえますかね」
「しかしまぁ色々あった!」
「一体何があったんスか?」
「チック・コリアも亡くなるしなぁ」
「質問ガン無視で話進めないでください」
「わたし学生の頃、弦バス弾いてて、弦バス弾けるんならエレキベースも弾けるだろう、って、エレキベースで色々弾かなきゃいけないってことで、大変な思いをしたことあるのよ」
「弦バスっていうと、コントラバスのことですか?」
「そうそう。運指は同じだけど、持ち方からして違うんだから、そんな簡単に弾けるもんじゃないんだよ」
「そういうものなんすか? ギターとか、何となく弾けるじゃないですか」
「コードを押さえるくらいはね! ジャズで弦バス鳴らす時って、とりあえずスイングのノリに合わせて、音はボコボコ鳴ってればいい! 的な部分があるから、きっちり音階が聞こえるエレキベースは、すごい苦労したよね!」
「弦バスにしたって、音階きっちし合わせないと駄目なんじゃないスか?」
「山下洋輔も『弦バスはとりあえず鳴ってればいい!』的なこと言ってたし、それで良かったんだよ!」
「……で、エレキベースで何弾いてたんですか?」
「ラテン系の音楽でさー。全然ノリ方とか分からなくて、ベース弾いてて憂鬱になってたなぁ!」
「ラテンの音楽弾いてるのにゆううつだったんですか!?」
「そうなのよ! そんなだから、きっと聞いている方もしんどかったんじゃないかな!」
「で、チック・コリアの話は……」
「『Spain』をやることになって、その辺からやっと楽しくなって来たかなぁ」
「代表作ですね」
「キメの部分とか、最初こんな細かく裏ウラ取れるものかな、って思ったけど、しばらく練習したら、そのキメ以外はルーズに弾いちゃってもいいやー、って思えて」
「ひとつ壁を越えたんですかね」
「キメ以外は延々アドリブだからねー。弾いていくうちに、自分も他人もみるみる上手くなっていくのがよく分かって、あれは楽しい瞬間だったなぁ」
「チック・コリアが亡くなって、しばらく動画とか見てたんですか?」
「いや特には」
「こら」
「『タモリによる「白鍵だけでチックコリア風にピアノを弾く」』とかってのを、久々に通勤の帰りとかに聞いてたかな?」
「チック・コリア亡くなって何でタモリ聴いてるんすか……」
「『やってる風ピアノ』とかって芸が、聞きたい時に聞けるんだから、ほんといい時代になったよねぇ」
「で、私生活とかの方は、どうなんですか?」
「何だか転勤とかってなってさー」
「あ、それはほんとに大変じゃないですか」
「ひとまず引っ越ししないで通勤することにしたんだけど、状況次第では引っ越しも考えなきゃなぁって」
「時間とかのリソースを、そっちに割かれてたんですね」
「せめて『妄想コンテスト』くらいの長さだったら、お題にひとつとか書きたいところだよね。本当は」
「『オンライン〇〇』と『冷たいあの人』は不戦敗になりましたね」
「今応募かけているお題もそろそろ時間的にやばくなって来たねぇ」
「書けそうですか?」
「んー、平日になると、どうしても仕事に持っていかれるからなぁ……」
「せめてこの『反省部屋』くらいは更新しないとですよね」
「死亡説とか流れそう」
「死なない程度に、まぁ、頑張っていきましょう」
「そんな感じで、出来ればまた来週に!」
「過去の作品に、スターやスタンプ付けてくださっている皆様、本当にありがとうございます! 気温の上下も激しいこの季節、どうか体調を崩したりしませんよう! また来週お会いしましょう!」
(6・完)
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