29人が本棚に入れています
本棚に追加
その40 若見え
自慢をするつもりはありませんが、私はたいてい歳より若く見られます。
先日、
お客様と昭和の名車の話で盛り上がった時、
「運転手さんずいぶん知ってるね、若いのに」
と言われましたので、私は素直に
「こう見えても、私五十二ですよ」
と答えると、素でビックリされました。
声も若いそうです。(イケヴォとは言ってくれませんでしたが……)
そして昨日、会社の先輩に言われました。
「岩田君、最近若いね」
「え、最近?」
「乗務員証の写真、老けて見えるよ」
(おいおい、言い方……)
と思いましたが、確かにそうです。
タクシードライバーになったばかりの半年前に撮った『乗務員証』の写真は、本当にヤツレたおじさんという感じです。
先輩の言った言葉は世辞ではなく、事実の様です。
じゃ、どうして?
1、動画サイトを見て始めた『有酸素運動』?
→運動量は前職の方が遥かに多いので、当てはまりません。
2、腸活?
→意識して生野菜や乳製品を摂る様にしていますが、ベツに今に始まった事ではありません。よって、これも当てはまりません。
3、アニメ好き?
→アニメの好きなおじさんは私以外にもたくさんいます。よってこれも当てはまりません。
4、マスクの着用?
→目元とおでこしか見えないので、これはそうとう『若見えポイント』高いです。でも、半年前も常時着用していましたので、先輩の言葉には当てはまりません。
5、ストレスの軽減?
→月並みですが、これが一番当てはまる気がします。
『その1』で少し触れましたが、前職でのストレスはハンパじゃありませんでした。もし私が二十年若かったら、自殺の道を選んでいたかも知れません。
そんな私がタクシードライバーになったばかりの半年前は『自己否定』の権化でした。それがモロ顔に出てたのでしょうね。
『完全歩合制』の今の仕事は、がんばってもサボっても全て自分に返って来ます。しかも『収入』というダイレクトな形で。
でも、タクシードライバーは水商売ですから、いい日もあれば悪い日もあります。
悪い日でも
「まあ、いいや。明日がんばろう」
と気持ちの切り替えが出来ます。
誰かに言われるのではなく、自分で判断する。責任も全て自分。
成績が上がらないからと言って、上司に人格を否定される事はありません。
自己否定をする暇なんてないし、する必要もありません。
これがストレスの軽減になり、やりがいにつながっている気がします。
昔、恩師がこんな事を言っていました。
「人は顔だよ」
今はその意味がよくわかります。
2021.4.26
最初のコメントを投稿しよう!