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ープロローグー
「いっしょに食べよう?」
伏せっている老人の部屋に、女の子がスイカの皿を持って入って来た。
老人は嬉しそうに微笑んで、
「ありがとう。今はいいかな。おじいちゃんお腹の調子が良くないんだよ」
「そっか。じゃあ向こうで食べてくる。見せびらかしたら意地悪だもんね」
「ここで食べていいよ。おじいちゃんも寂しくない」
「ご本も持ってきていい? 静かに読むから」
静かにねぇ。老人は笑った。そして思った。
(そろそろかな)
たくさんの絵本を抱えてきた孫娘に老人は言った。
「いいものをあげよう」
「いいもの?」
女の子は目を輝かせた。
「いつもいい子にしていたご褒美だよ」
老人は差し出された小さな手をそっと握った。
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