第一章∗*゚私たちのこと

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第一章∗*゚私たちのこと

口調が真逆の私たちが出会ったのは 必然だったのかもしれませんね。 私の名前は銀山春馬と申します。 この口調が{素}なのですが、 外では{表}用の口調で 話しているのでその日常を お話ししたいと思います。 恋人の茉歩も同じように {素}と{表}を使い分けているんですよ。 彼女の場合は私と私の家族以外には ずっと{表}のため、よく疲れると ぼやいています。 今日も私たちは偽りながら それぞれの場所で生活しているので 昼間は本当にストレスが溜まってしまうのです。 「銀山先生、患者さんが待ってますよ」 おや、昼休みは終わりのようなので 続きは後程。 ┈༝༚༝༚♡゙ 『よ、春馬』 茉歩が来ましたね。 『はぁ~マジで疲れた』 ドカッとソファーに座ってため息を吐き、 だら~んと足をぶらぶらさせながら 私の方を向きました。 『(うち)だからいいですけど、 その格好はだらしないですよ』 まぁ、何時ものことですけど なんとなく注意してしまうんですよね(苦笑) 『此処だからできるんじゃん』 そうでしょうね。 こんな格好を自分の家でしてら 母親に怒られて 大喧嘩になってるでしょうから。 『ぁはは、ゆっくりしてってください』 茉歩の好きな 紅茶でも()れましょうかね。 キッチンから戻るとさっきまで 座っていた茉歩が今度は 丸まってごろごろしていて 思わず笑ってしまいました。 『寝っ転がるのはいいですけど 寝ないでくださいね』 いくら最近、寝苦しい程 暑い夏はいえソファーや床で 寝てしまったら 風邪をひいてしまいますからね。 『わかってるよ。 てか、今起きるし』 座り直した茉歩に紅茶の入った カップを渡すと嬉しそうに お礼を言われました。 『サンキュー』 茉歩の隣に座り、 たわいもない話をしている この瞬間が一番安らぐのです。
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